きっと、ずっと、そばにいて。

松ケン ページ35

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松林｢なんで来た｣

｢えー、松ケンに会いたかったからに決まってんじゃん｣

松林｢その呼び方やめろよ…｣

｢じゃあなんて呼べばいいの｣

松林｢…憲太郎でいいじゃん｣

｢ん、憲太郎｣

松林｢…｣

｢と見せかけてからの松ケン｣

松林｢…はあ、疲れる｣




記念すべき初日の仕事は、パナとあまり変わらなかった。

ドリンクやタオルの用意したりいろいろ。

そしてパソコンのデータを渡された。

中には選手の情報。

事前に名前くらいは覚えてきたけど、やっぱり出身大学とかは知らなかった。

後は得意なプレーだったりを見つつ、自分のノートにも記録する。

君が新たな相棒だ。

私のノート第2号よ…！

選手の自主練中にそんな仕事をしてると、松ケンが来て久しぶりに話した。




松林｢翼元気？｣

｢元気も元気よ。めちゃめちゃ元気｣

松林｢だろうな。まだ山崎と付き合ってんの？｣

｢んー、たぶん？｣

松林｢たぶん？｣

｢1ヶ月ちょい前くらいに、別れようって言われたって言ってたけど、そこから話聞いてないからしーらない｣

松林｢…相変わらず｣




ほんとよ。

他に好きなやつがいるって言ってたじゃないの。

ま、もう私には関係の無いことだけど。




栗山｢Aーちゃん｣

｢あっ、まっさん！｣

栗山｢はーい、Aちゃんのまっさんだよー｣

松林｢…お前、くりさんをまっさんって呼んでんのか｣

｢雅史さん、マサさんは被るから、まっさん？｣

松林｢なんか、すみません、くりさん｣

栗山｢ええ、いいのに｣




まっさんがニコニコ笑う。

素敵っ！

やっぱり私がサントに来た理由が相当気になるらしい。

そんなに大した理由じゃないですよって言えば、それはないでしょってまっさんが左隣に座った。

それを見た松ケンが右隣に座る。

そして無言で見つめてきた。




｢…ほんとに大した理由じゃないんですって｣

栗山｢失恋？｣

松林｢くりさん、こいつ20年近く片想いしてるんで失恋ごときじゃ心折れないっすよ｣

栗山｢20年！？｣

｢まっさん声大きい！｣




まっさんの声に何人かが振り返って怪訝な顔をする。

ごめんなさいすみません。

それを見た大宅くんがこっちに来た。




大宅｢Aさんなんでサントに来たんですか｣

｢なんでみんなそんなに気になるのっ｣

大宅｢え？｣

栗山｢やっぱ気になるよね！｣

｢…マネの仕事に専念したいからじゃダメなんですか｣

大宅｢…パナじゃできなかったんですか？｣




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