きっと、ずっと、そばにいて。

ハグしとく？？ ページ33

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W杯は、龍神NIPPON8勝3敗、4位で幕を下ろした。

すごいな。

メダルまでは届かなかったけど、ほんとに凄い。

私は初戦のイタリア戦以外はテレビの前から応援。

新しい大阪のマンションで、1人酒を飲みながら応援してた。

やっぱりリベロだから、智大や古賀先生のレセプションに舌を巻きつつ食べる、焼き鳥。

バカ美味い。




川村｢自分らにお知らせや。約3年間パナでマネージャーをしてくれてたAが、今日限りで移籍することになった。はい、挨拶｣

｢あ、ども。えと、約3年、皆さんとともにチーム作りに携われて幸せでした。パナソニックパンサーズのますますのご活躍を期待しております。

個人的な事情で、マネージャー業に力を入れれる場を探したく、このような形にはなってしまいましたけど、パナはとても楽しかったです。

ありがとうございます、お世話になりました｣




本当は何も言わずに移籍するつもりだった。

だけど川村監督が、｢最後の挨拶もせえへんのやったら移籍させへんで！｣ってプンプンした。

それがかわいかったから、しかたなく。

ただ、それはW杯最終戦、カナダ戦が行われた日の昼間の話で、代表メンバーはいなかった。

咲良はいたけど、ガン無視。

自分が招いたことで友情を失ってしまうこと、それを教えれるのは私しかいない。

これで他の友達を大切にできる人になってくれるといいけど。




伊賀｢なんで俺になんの相談もしないんだよ！｣

｢あらぁ、私なんかと話したくないのかと思ってたわ｣

伊賀｢んなわけない！｣

｢そう？頑張ってねパナの守護神。私よりかはくにさんのスパイク拾えるようになるといいね｣

伊賀｢見てろよ。お前なんか足元にも及ばないレシーバーになるからな｣

｢期待してる｣

白澤｢Aちゃん、おつかれ｣

｢えっ！！…どうしたんですかこの花束｣

白澤｢監督が用意しろって。誰にあげるかは知らなかったけど、まさかAちゃんの移籍なんて｣

｢え〜、ごめんなさい黙ってて。綺麗ですね｣

白澤｢花のチョイスはヒコとヤス｣

｢…さすが、女慣れしてるヒコさんは違いますね｣

今村｢人聞き悪いなぁ。ありがとな、今まで｣

｢ありがとうございます、ヤスさんも！｣

兒玉｢ハグしとく？？最後だからハグしとく？？｣

｢…しとく！｣




パナのムードメーカーである兒玉康成さんに思いっきり抱きついて、みなさんが拍手をしてくれた。

ヒコさんらしい赤いバラと、ヤスさんらしいひまわりが中心の花束。

そんな10月15日の昼間だった。




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