きっと、ずっと、そばにいて。

守ってくれてありがと ページ22

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side 山内




清水｢山内｣

山内｢はい？｣

清水｢俺らの姫ご乱心やで｣

山内｢…そっすね｣




Aが翼に連れ去られた次の日。

あわよくば上手くいってねーかなーって思いながら練習にも来てみれば、クスリとも笑わないA。

ずっとイライラしてるみたいで、ドリンクの味も、いつもと違う。

たぶん、俺のドリンクの粉入れすぎたな？

マネの仕事で忙しくしてるAを目で追いながら、お昼無理やり食堂連れてこうと決心した。




山内｢A｣

｢はいアキさん！今日も素敵ですね！｣

山内｢今日はそういうのいいから。食堂行くぞ｣

｢…一緒に？｣

山内｢一緒に｣




頼れって言ってんのに、まだ迷惑じゃないかとか思ってんだろうかこいつは。

ぶすっとしてるAの手を取って、引きずるように食堂に連れてきた。

健太郎には親子だって笑われて、更にぶすっとするA。

今日はえらく顔に出るな。




山内｢はい、話せ｣

｢…話せ、とは｣

山内｢昨日、なんかあったんだろ？｣

｢…話してもいい？｣

山内｢頼れって言っただろ。話さない方が迷惑だから｣

｢アキさん、好き｣

山内｢…真顔で言うな｣




泣いたのが丸わかりの、疲れきった顔で、真顔だから真剣に言ってるように聞こえる。

いつもはない色気を感じてしまって、思わずため息。

そうか、こいつもちゃんと女だったわ。

ポツポツと話し始めたA。

…なるほど、つまり久原翼は馬鹿だと。

え、そうじゃない？ごめんごめん。

Aに、ちょっとだけ笑顔が戻った。




｢私が咲良と一緒にされたことよりも、アキさんたちをバカにされたのが許せなくて…｣

山内｢…照れるじゃん｣

｢あは｣

山内｢守ってくれてありがと｣

｢…うう、アキさぁあん｣

山内｢泣くなよ、味噌汁に鼻水入ってるぞ｣

｢嘘！｣

山内｢嘘｣




もーって言って、持ってたタオルで顔を覆うA。

食堂からチラホラ視線を感じる。

ああ、絶対俺が泣かせたと思われてる。

清水さんが気づいて、こっちに来た。

俺の横に自分のお盆を置いて座る。

それを見たマサさんも、同じようにAの横に座った。




柳田｢Aー、何泣いてんだお前ー｣

｢…ないてないでずぅう｣




泣いてるの丸わかりの声で答えるAの肩を、マサさんが持って、摩ってる。

清水さんとマサさんが、目で｢どうした？｣って聞いてきて、さっき聞いたことを話した。




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