ビンタ ページ38
・
部屋に戻って、ベッドの上に並んで座る。
しばらくの沈黙。
誠大が自分の汗を拭うときの音しか聞こえない。
なにから話せばいいのかわからなくて、自分の両手を握り締めながら俯く。
すると、誠大の手が私の手を取って握り締めた。
｢ぬ｣
関田｢…ふはっ、なんだよ｢ぬ｣って｣
｢いや、ごめん、びっくりして｣
関田｢色気ねえ｣
｢…ごめん｣
関田｢…なぁ｣
｢ん？｣
関田｢好き｣
バッと顔を上げると、誠大と目が合う。
私の目を捉えて離さない、逸らすなとでも言いたげな目。
目は口ほどに物を言うとは言うけど、ここまでわかりやすい目は初めてかもしれない。
それでも恥ずかしくて目を逸らそうとする。
だけどその前に誠大の顔が近づいてきて、ゆっくり、キスされた。
触れるだけのやさしいキスが、徐々に深くなる。
｢…ん、ふっ、ま、さひろ、｣
関田｢…もっと口開けろ｣
｢まって、んっ！…んん、｣
関田｢…｣
私の制止を聞かず、そのまま私を押し倒す。
…いやいやいや、待って待って。
ちょっと待って。
何度誠大の肩を叩いても、やめる気配がない。
そのまま私の服の中に手を入れて、脱がそうとしてくる。
や、待って、ほんとに…。
｢…はっ、ちょっと待てーーーい！！｣
関田｢ぶはっ！｣
あ、やっちゃった。
ちょっと口が離れたすきに、思いっきり誠大をビンタする。
関田｢ってぇ、いきなり何すんだ！｣
｢はっ、こっちのセリフ！もっと他にやることあるでしょ！｣
関田｢別にいいだろ1ヶ月以上やってねぇんだぞ！ちょっとくらい触らせろ！｣
｢ばっ！？だ、だいたい1ヶ月前のやつだって酔った誠大が無理矢理やったんじゃん！｣
関田｢…好きなんだから仕方ねぇだろ！｣
｢理由になってない！！｣
ぜえぜえ言いながら喧嘩する。
思えば、こんなに必死に言い合いしたのも久しぶりだ。
誠大はまだ赤い自分の頬を擦りながら、ベッドの上に向かい合うように座った。
もう、何もする気は無いらしい。
するとしばらくして、ごめんな、って言う誠大の声が聞こえた。
｢…｣
関田｢…なんて言ったらいいかわかんねぇ。けど俺、お前のこと好きでさ、それは事実なんだよ｣
｢…うん｣
関田｢小さいときから、お前が、Aがそばにいるのが普通で、隣にいないとか考えられねぇ｣
｢…｣
関田｢それが、Aのこと好きなんだってことに気づくのは、中大にいた頃なんだけど｣
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花(プロフ) - Mizunaさん» ありがとうございます！！泣いてもらえるだけで私も泣きそうです...！！ (2020年2月9日 7時) (
レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
Mizuna(プロフ) - わー！！！！完結おめでとうございます。もう本当にヤバかったです！！また最初から読み直してまた涙が…！ (2020年2月9日 0時) (レス) id: 30f1f4cb3e (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - CATさん» ありがとうございます！！！最後のセリフは小説を書き始める前から考えてたものですので。笑 ありがとうございました！！ (2020年2月8日 23時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
CAT(プロフ) - 最後のセリフめっつつつちゃ良かったです！面白かった！ (2020年2月8日 23時) (レス) id: 862b45ac11 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - SUPERBEAVERさん» 私もいっそのことヒコさんオチにしたかった...！！ ありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2020年2月8日 20時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花
| 作成日時：2020年1月16日 13時
