その人がすべて ページ19
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｢いやでも、そこまではないでしょ｣
石川｢あるよ。イタリアに来るなんてそんな無茶させられないし、俺は嘘つくしかなかった｣
｢…ないない。だって誠大、好きな人いるんだよ？｣
石川｢え、Aさんでしょ？付き合ってるんですよね？｣
｢別れたよ｣
石川｢…ええ！？｣
私がイタリア行くことを連絡したのはヒコなんだぞ。
普通気づくでしょ！！
どんだけ鈍いんだそういうのに。
石川｢えっ、なんで？｣
｢誠大に結婚したいくらい好きな人ができたの｣
石川｢…それはない｣
｢…なーんかみんなそう言うんだよね。誠大は私のこと好きだよって｣
石川｢うん。だってそうだもん｣
｢でもさ、私、誠大がかわいい女の子歩いてるの見たんだ｣
石川｢…｣
｢しかも電話で、早く結婚したいって言ってた｣
祐希は、ありえないって顔して頭を抱える。
そしてしばらくの沈黙。
祐希が、Aさんが倒れたときのこと、覚えてる？って言う。
この前伊賀ちゃんたちと話したやつだ。
｢大学のときの、熱中症…｣
石川｢そうそう。そのとき誠大さんさ、Aさんにブチ切れたじゃん？｣
｢うん…｣
石川｢次の日の練習で、誠大さんミス連発してさ｣
｢えっ、私が入院してたとき？｣
石川｢うん。大丈夫？って聞いたら、Aさんに怒ったこと後悔しててさ｣
｢…｣
石川｢Aがいないと調子が出ないから、あいつには笑っていてもらわないと困る｣
｢…｣
石川｢…だけど、泣かせた。どうしたらいい？って｣
あんな弱々しい誠大さん初めて見たからどうしていいかわかんなくてさ。
って祐希が続ける。
笑ってて欲しいのに、1人で無理しようとするから、ほっとけないって。
…私、そんなに思われてたの？
石川｢その頃からなんとなく、ああAさんのこと好きなんだなって思って｣
｢…｣
石川｢…失恋したりして｣
｢…え、｣
石川｢俺がAさんのこと好きだったの、気づいてなかったでしょ？｣
｢…ええ！？｣
今度は私が驚く番。
いやっ、だって！そんな素振りなかった！
まあ、仲はいい方だったけど。
でも！
｢私、全然かわいくないでしょ！？｣
石川｢…え、なんで？｣
｢祐希、かわいくて清楚な子が好きじゃん！｣
石川｢それは、そうだけど｣
｢ほら！｣
石川｢…でも好きな人ができたらさ、その人がすべてになるじゃん｣
好きなタイプも、なにもかも。
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花(プロフ) - Mizunaさん» ありがとうございます！！泣いてもらえるだけで私も泣きそうです...！！ (2020年2月9日 7時) (
レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
Mizuna(プロフ) - わー！！！！完結おめでとうございます。もう本当にヤバかったです！！また最初から読み直してまた涙が…！ (2020年2月9日 0時) (レス) id: 30f1f4cb3e (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - CATさん» ありがとうございます！！！最後のセリフは小説を書き始める前から考えてたものですので。笑 ありがとうございました！！ (2020年2月8日 23時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
CAT(プロフ) - 最後のセリフめっつつつちゃ良かったです！面白かった！ (2020年2月8日 23時) (レス) id: 862b45ac11 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - SUPERBEAVERさん» 私もいっそのことヒコさんオチにしたかった...！！ ありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2020年2月8日 20時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花
| 作成日時：2020年1月16日 13時
