愛 ページ24
・
だけど、物事とはそう上手くはいかないもので。
山内｢A、今度の土曜日暇？映画行かね？｣
｢…土曜は、ちょっと｣
山内｢じゃあ日曜｣
｢日曜も…｣
山内｢なら、いつ空いてる？｣
｢…私じゃなくて、ヒコくんとかと行けば｣
山内｢なんで映画に男同士で行かなきゃいけねえんだよむさ苦しい｣
｢…｣
晶大は、よく私に絡んでくるようになった。
遊びに誘って来たり、どれだけ部活で疲れてても私を家まで送ってくれたり。
…嬉しいんだけど、ダメなんだって。
その日は晶大からそそくさと逃げて、1人でとぼとぼと帰った。
そしてふと、オヌスミサマの祠の前で足を止める。
すると急に世界が変わったようにぐらんと揺れて、この前と同じようにオヌスミサマが現れた。
相変わらず、生気のない顔をしてる。
聖｢やっと来たか｣
｢…あ、ごめんなさい。みかんは持ってないの｣
聖｢はあ？…他になにか無いのか｣
｢んー、あ、おにぎりなら…｣
聖｢ふむ。塩か？｣
｢中に梅干し｣
聖｢貰おう｣
｢どうぞ｣
お昼ご飯の残り。
最近は食欲もなくなって、お母さんたちによく心配される。
お陰様で体重は落ちる一方だ。
聖｢して。どうだ、山内晶大の様子は｣
｢…私のことは、知らないって｣
聖｢だろうな｣
｢…ねぇ、本当に私の記憶は消したんだよね？｣
聖｢ああ｣
｢完全に？｣
聖｢貴様、我の力をバカにしておるのか？｣
｢…だって、｣
聖｢なんだ｣
｢…最近、私に構うようになってきたから、記憶、戻ったらどうしようと思って｣
聖｢…ほう｣
おにぎりを食べ終わったオヌスミサマが、ニヤッと笑う。
そいつは見物だなって言いながら。
…くっそーこの神様、ただの悪魔じゃん。
聖｢人が他人を求める心理は、計り知れないものだな｣
｢え？｣
聖｢…例えば、貴様の中から大切な奴の記憶が無くなったとして、貴様はもう一度そいつのことを求めるか？｣
｢…どういうこと？｣
聖｢得体の知れぬ、｢愛｣とやらの持つ力だな。我にはわからん｣
愛？求める？
私が晶大の記憶を無くしても、もう一度晶大に恋をするかってこと？
…愛、なんて。
でも、オヌスミサマが言うなら、そうなの？
晶大が、もう一度私に恋をしてるってこと？
・
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←絶句
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(名前)あやか(プロフ) - 続きを待ってます！お願いします (2021年9月18日 15時) (
レス) id: 6c19d02f23 (このIDを非表示/違反報告)
ぷいん - いつか更新されることを願ってます…！ (2020年12月12日 10時) (レス) id: fe96328630 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 00xxxx1さん» 本当ですか！！！！嬉しい、ありがとうございます！！ 更新頑張ります！！！！ (2020年5月20日 0時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
00xxxx1(プロフ) - 毎日更新楽しみにしています！！花さんの書くお話の中でもこれが一番好きになりそうです！！陰ながら応援しています！ (2020年5月20日 0時) (レス) id: 1f1bcc4b1b (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - ゴンさん» えぇ！？そんなそんな！！！ありがとうございます！！更新頑張ります！！ゴンさんのためにー！！！！ (2020年5月16日 17時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花
| 作成日時：2020年5月11日 10時
