泣けよ ページ13
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｢過去形だよ？なんで過去形なんだよって、怒んなきゃ｣
マサ｢…A、｣
｢…ん？｣
マサ｢…泣けよ、｣
佳奈｢そうだよ、我慢しないでよ｣
｢…我慢なんか、してないよ。なんか、涙が出てこないの｣
佳奈｢…A〜｣
佳奈が私の横に座って抱きしめてくれる。
…ほんと、なんでだろ。
絶望しているはずなのに、全く涙が出てこない。
そのとき、赤い光が消えて、ドアが開く。
寝台を押しながら、数人のお医者さんと看護師さんが出てきた。
頭に包帯を巻いた晶大。
寝てるみたい。
汗をかいたお医者さんは、｢ご親族の方はどなたですか｣と口を開いた。
晶大の両親が反応すると、重々しい口調でこう言った。
｢…残念ですが、脳死です｣と。
悲鳴をあげる晶大のお母さん。
その肩を支えるお父さん。
謝り続ける男の子とそのご両親。
固まる、友人3人。
脳死、ってことは、植物状態ってことで。
目を覚ます確率はゼロに近い。
とぼとぼと晶大に近寄って声をかけた。
｢…晶大｣
ヒコ｢A、｣
｢なんでよ、私のこと好きなんじゃないの、｣
ヒコ｢A、アキはもう…｣
｢…一緒に映画行こうって約束したじゃん。今年の夏は海に行って川にも行って、秘密基地でお泊まり会するんでしょ、？｣
話しかけ続ける私に、｢助けてあげられなくて、ごめんなさい｣って看護師さんが泣き始めた。
それを見ても、やっぱり涙なんて出てこない。
だって、だってこんなに綺麗な顔してるのに。
息だってある。
手だって暖かくて。
…そのときふと、思い出した。
｢…オヌスミサマ、｣
佳奈｢えっ、A！？｣
マサ｢ちょ、｣
ヒコ｢俺が行く｣
そうだ、オヌスミサマ。
運命を変えてくれる神様。
本当に必要としてる人の前にだけ現れて、その人が変えて欲しい、第三者の運命を変える。
思い付いた瞬間、走り出した。
もし、もし晶大の言ってた通り、相手を間接的に殺す願いの逆、つまり間接的に生かす願いを叶えて貰えるなら…！
慣れない浴衣で走って病院を後にする。
ヒコくんの声が聞こえたけど全部無視して、学校近くの祠に急いだ。
暗くてほとんど何も見えないけど、確かにお供え物のみかんがある。
…これが、オヌスミサマの祠。
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(名前)あやか(プロフ) - 続きを待ってます！お願いします (2021年9月18日 15時) (
レス) id: 6c19d02f23 (このIDを非表示/違反報告)
ぷいん - いつか更新されることを願ってます…！ (2020年12月12日 10時) (レス) id: fe96328630 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 00xxxx1さん» 本当ですか！！！！嬉しい、ありがとうございます！！ 更新頑張ります！！！！ (2020年5月20日 0時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
00xxxx1(プロフ) - 毎日更新楽しみにしています！！花さんの書くお話の中でもこれが一番好きになりそうです！！陰ながら応援しています！ (2020年5月20日 0時) (レス) id: 1f1bcc4b1b (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - ゴンさん» えぇ！？そんなそんな！！！ありがとうございます！！更新頑張ります！！ゴンさんのためにー！！！！ (2020年5月16日 17時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花
| 作成日時：2020年5月11日 10時
