キス ページ11
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沈黙。
いやわかってた。
みんなでいれば話せるけど、2人になるとダメなんだよやっぱ。
気まずくてずっと俯きながら歩いてると、横に並んでた晶大が、私の右手を取った。
｢え、｣
山内｢…この前は、ごめんな｣
｢な、なにが、でしょう｣
山内｢…その、ブスって言って、悪かった｣
｢…ああ、うん、大丈夫。私もごめん、ヒコくんがいいなんて言って｣
山内｢…それ謝るとこ？｣
｢えっ…｣
山内｢なんか、俺の方がいいって言ってるように聞こえるんだけど？｣
しまった。
そうよね。
謝らなくてよかったところでしょあれは。
何も言えなくなって、ちょっとだけ人が少なくなった道端に出る。
とはいえ、まだ子ども連れの家族なんかがチラホラ見えて。
しかも結構車も通ってるから明るいし。
急に手を握ってることが恥ずかしくなって離そうとした。
でも、それは晶大に指を絡められて叶わなくなった。
思わず足を止める。
山内｢離そうとすんなって｣
｢だ、だって、こんなの…｣
山内｢…｣
｢…えっ｣
付き合ってるみたいじゃんって言おうとした。
だけど、晶大の顔が徐々に近づいてきて。
…暗闇の中、そりゃあ視界は悪いかもしれないけれど、こんなところでキスする？普通。
驚きで声も出せないでいると、晶大がふっと妖艶に笑った。
ず、ずるい。
山内｢ほら、行くぞ｣
｢…うん｣
山内｢…軽い気持ちで、とかじゃねえからな｣
｢え、？｣
山内｢…また、後で言うけど、軽い気持ちでキスしたわけじゃないから｣
｢…あ、うん｣
うわっ、私かわいくない。
だけど、晶大はこれでもかってくらい嬉しそうに笑う。
お詫びとして、つないだ手に少しだけ力を込めた。
それに気づいて、また照れ笑いする。
…うぅ、何この空気。
そのときだった。
反対側の歩道を歩いてた家族連れの小さな子どもが、遊んでて落としたであろうヨーヨーを拾うために、道路へ飛び出した。
…一瞬。
車のクラクションと、母親が叫ぶ声と、右手から消えた体温。
次の瞬間には、間一髪で子どもを押し出した男の人が、車と衝突。
…その男性が、晶大だと気づくのには、随分と時間がかかった。
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(名前)あやか(プロフ) - 続きを待ってます！お願いします (2021年9月18日 15時) (
レス) id: 6c19d02f23 (このIDを非表示/違反報告)
ぷいん - いつか更新されることを願ってます…！ (2020年12月12日 10時) (レス) id: fe96328630 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 00xxxx1さん» 本当ですか！！！！嬉しい、ありがとうございます！！ 更新頑張ります！！！！ (2020年5月20日 0時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
00xxxx1(プロフ) - 毎日更新楽しみにしています！！花さんの書くお話の中でもこれが一番好きになりそうです！！陰ながら応援しています！ (2020年5月20日 0時) (レス) id: 1f1bcc4b1b (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - ゴンさん» えぇ！？そんなそんな！！！ありがとうございます！！更新頑張ります！！ゴンさんのためにー！！！！ (2020年5月16日 17時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花
| 作成日時：2020年5月11日 10時
