保証はできない ページ8
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なにを根拠に、とは思ったが、もう夜も遅いし関田さんの隣のベッドをお借りすることにした。
藤井さんは柳田さんと有志の部屋で寝るから、と言って出ていった。
…関田さんの寝息だけが聞こえる部屋。
よくあんなに話してたのに目覚めないな。
ちょっとだけ、関田さんの髪の毛を触ってみる。
わ、ふわふわさらさら。
いい感触。
触ることに夢中になっていたら、関田さんが動いて、目を覚ました。
「…あ、ごめんなさい」
関田「…は」
「えと、…どうも」
関田「なんで、いんの…?」
「えーっと、藤井さんに、呼ばれて?」
ほら、関田さん固まってる。
寝起きだからかもしれないけど、ピクリとも動かない。
だから喜ばないって言ったじゃん。
「…顔、もう大丈夫ですか?」
関田「えっ、あー…、まあ」
「なら、よかったです。すみません、事情はまた明日説明するので、今日は隣のベッドお借りしますね」
そう言うと、「えー、やっ、うーん」とか言って、関田さんが頭を抱え始めた。
そして、ちょっとだけ起き上がって私の手を取って言った。
関田「…やっぱり、大丈夫じゃない、から、一緒に、寝てもらえませんか…?」
…今度は私が固まる番。
一緒に?バカじゃん。
仮にもいい歳した男と女が一つのベッドで寝るなんて…!
あ、でも待って。
ケガした時とか風邪ひいた時、人肌恋しくなるよね。
そんな感じ?関田さん今そんな感じ?
…まあ、関田さんに限って私に変な気を起こすなんてあるわけないよね。
でも一応、
「…変なことしませんか?」
関田「…保証はできない」
「じゃあ嫌です。おやすみなさい」
関田「待て待て。できる。できるからこっち来い」
「わっ、と」
私が言うと、焦ったように腕を引っ張って自分のベッドの上に私を乗せた。
一気に関田さんとの距離が縮まる。
さっきまで寝ぼけ眼だった関田さんも、今はキリッとしている。
…やばい、近い。
関田「…顔赤いぞ」
「っ誰のせいだと」
関田「俺?…なんか嬉しいんだけど」
「はっ?」
関田「…今日、俺にはハグしてくれなかったよな?」
「いや、あれは故意にそうなったわけじゃなくて…!」
関田「…ムカつく。なんなのお前」
いやこっちのセリフ!!
ちょっとムスッとした顔で私の頬を右手で引っ張る。
左手は私の腰を引き寄せるように置いてあって、逃げられない。
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なほ - 次は山内さんの待ってます☺️ (10月10日 22時) (レス) @page37 id: 2f4a7dab68 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 好きすぎて何度も読ませてもらっています(笑)マジで、え、花さん神?って思いました(笑) (2021年9月24日 0時) (レス) @page36 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンしました。大好きです(笑) (2021年5月6日 3時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - inu1elenaakさん» はい!お楽しみに〜!!! (2019年12月18日 20時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
inu1elenaak(プロフ) - スピンオフも楽しみにしております。 (2019年12月17日 19時) (レス) id: 9a39b8e204 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2019年11月13日 21時