総合マネージャーは男前[２]

お兄ちゃん ページ17

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真佑｢っすごい！ブラジルから1セット取った！｣

｢山内さんのサービスエースのおかげだなー｣

宮下｢ああ、最初のやつ？｣

｢そうそう。サービスエースが連続すると体力も温存できるし、何より、相手より少しだけ余裕ができるからね｣

宮下｢そっか。だから、試合の初めでサービスエースを取るのがいいのね｣

｢うん。あんまり決められると、相手も心が折れかけるじゃない？｣

宮下｢…うわ、悪い女｣

｢ふふ｣




2セット目は日本が取った。

これまであまり試合に出れてなかった山内さんがいい感じに爆発してる。

素晴らしい。褒めてあげなきゃ。

最後にリリーフサーバーで入った柳田さんも、とてもいい流れを作った。

さすが日本の主将。頼れるなぁ。

3セット目に入る前のCM中、最後の唐揚げをもぐもぐ食べていた真佑ちゃんが口を開いた。




真佑｢…Aさんって、お兄ちゃんと結婚するんですか？｣

｢…は？｣

黒後｢え！いつから付き合ってたんですか！｣

宮下｢私も聞いてない｣

｢付き合ってねーよ！｣




なにこの子！いきなり何！

付き合ってすらないのに！

結婚！？どこにそんな予兆が…、

…あー、あるわ。あったな。

私が関田さんの部屋から出てきたときになんか言ってたな石川くん。

俺と結婚するんじゃなかったのかよっ！って。

…でも待ってなんで真佑ちゃんが知ってるの？




真佑｢ちょっと前にお兄ちゃんから電話があったんです｣

宮下｢なんて？｣

真佑｢お前のお姉さんになったら嬉しい人は誰だって｣

黒後｢なんて答えたの？｣

真佑｢…そのとき思いついたのがAさんだったから、Aさんかなって｣

｢…あー、なるほど｣

真佑｢それでなんか、調子乗りはじめて、そうだよなーそうだよなーって｣

｢…私そのとき、真佑ちゃんと愛ちゃんを私の妹って言ってたんだよね｣

真佑｢はい｣

｢そしたら、いつ俺と結婚したっけ？って石川くんが言い始めてさ｣

真佑｢あー…｣




ほんっとすいません、うちの兄が…、と申し訳なさそうに謝る真佑ちゃん。

いやいや、こっちこそ。

悪いのは頭のネジがちょっとおかしい石川くんだよ。

あの会話でイコール結婚に繋がる思考回路は世界一だと思う。




宮下｢石川くんって意外とおバカさん？｣

｢んー、どっか抜けてるというかなんというか…｣

黒後｢へー、色恋沙汰になるとそんな感じなんですね｣

｢愛ちゃんすっごい棒読みだね｣

真佑｢…私は、Aさんがいいけどなー｣




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