総合マネージャーは男前[２]

あきらめない ページ23

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side 柳田




祐希に起こされ、めんどくせーなこいつって思ってたら｢Aさん、ドイツ行かないらしいですよ｣と言ってきた。

そーれーはー聞き捨てならない。

まだ眠い目をこすって、寝ている関田を置いて、一目散に祐希の部屋に行った。

そして太志がAと話しているであろうスマホを奪い取り、｢おはよ｣と言う。

小さく、おはようございますと返ってきた。

日本のレベルアップをしたいから、俺には着いてこないと言う。

…まあ、彼女らしいっちゃ、らしい。




柳田｢…やっぱ来ないかー｣

｢もうあきらめてください｣

小野寺｢マサさん往生際が悪いっすよ｣

石川｢そーだぞマサさん。俺でもあきらめたのに｣

柳田｢だって、Aがいたら無敵だろ？｣

｢私にそんな力ないです｣




いや、実際彼女の分析は凄かった。

あらかじめ頭に入れて置いた情報はおもしろいくらいに当たった。

レシーブが苦手な選手、アタックが得意な選手。

彼女が言う全てのことが当たっていたと思う。

だけど彼女は、｢まだ完璧じゃないです｣って謙遜ばかり。




柳田｢お前さぁ、もっと自分に自信持てよ｣

｢持てるほどの分析じゃなかったでしょ｣

柳田｢いやいや、マジで当たってたんだって｣

｢でも完璧じゃないです。完璧にするには世界各国回らなきゃ｣




そう言ってふふふって笑うA。

…くそ、かわいいな。

違う違う。妹、もしくは娘って感じのやつ。




柳田｢…そのお前の分析も、鍛えればもっと日本のためになると思わない？｣

｢…まあ、そうですけど｣

柳田｢だからさ、ドイツ来いよ。そしたらお前ももっと成長できる｣

｢…｣

石川｢え、ドイツで揺れるならイタリアでもいいじゃん！｣




なんでこんなに必死になってんだろう。

でも、彼女がいれば強くなれるのは確かだ。

上手くなるのは1人でもできるけど、強くなるには誰かの助けがいる。

俺は、それなら、彼女がいい。




｢…ちょっとわがまま言えば、私は旦那さんは日本人がいいんです。だから、海外へはちょっと…っていうのもあります｣

柳田｢は？俺がいるじゃん｣

｢…え？｣

柳田｢旦那ってことは結婚？俺とする？｣

石川｢は？｣

小野寺｢え、何言ってんのこの人！｣

石川｢ば、ばばばバカでしょ！｣

柳田｢…なんで？｣

石川｢バカだった！｣




え、だって、ねえ？

日本人と結婚したいんだったら俺でもよくね？

だめなの？




小野寺｢…寝起きだから頭ぶっ壊れてんじゃない？｣

石川｢それだわ間違いない｣




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