いつか幸せになれるまで (ページ1)

今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:8,892 hit

仮面夫婦の始まり 1 ページ1

Aside

私は今日、今から、ジェヒョンさんの"妻"になる。

……あまりいい気にはならない。
ジェヒョンさんと、夫婦になる。
でもそこには愛なんて少しもないのだ。

なんでかって？それは望んだ結婚じゃないから。
私たちは"仮面夫婦"なのだから。
これから薬指に嵌められるリングは
愛の証なんかじゃなくて、ただの鎖。

私は韓国と日本のハーフ。
父は韓国でもトップクラスのICT関連会社の社長。
母は日本人だが、韓国でモデルの仕事をしていた。

そんな2人の元に生まれたのだから、"これから"のことは、
中学生位の頃から何となくわかっていた。

逆にこんな裕福な家庭に生まれて、普通に結婚して、幸せに平和に暮らせるなんてそうそうない事だと思う。

案の定、大学を卒業した頃から、
私はお見合いをするようになったが、何度か回数を重ねるうちにみんな私の"家柄"や"財力"、"権力"ばかりを見ていると気づいた。

それからは縁談も受けなくなったし、そういった話もしなくなった……はずだった。

それから約1年たった頃、父に

父「Aにどうしてもお願いしたいことがある。もう一度だけ、縁談を受けて欲しい。」

こう言われた。
私はもう、縁談を受ける気はなかったから、最初は断っていたのだが、3回もしつこいく位に頼まれたので、仕方なく、この縁談を引き受けることにした。