episode13 ページ15
髭切「そういえば…」
廊下を歩いていると、思い出した様に言ってきた。
髭切「さっきの教師が出した問題、よく解けたね。」
ああ、あれか。
「あれは…そんなに難しくなかったですし。」
私がそう言うと、髭切さんは驚いた表情になった。
髭切「本当かい？それはすごいね。」
「貴方も、スラスラと答えていたでしょう。」
髭切「そりゃあ、僕には簡単だったよ。…ここの生徒達と比べても僕の家は結構なお金持ちでね…勉強は嫌というほどさせられたし。多分君が想像できないくらいに。」
…もしかして、だから他の生徒達と制服が違うの？
周りよりお金持ちだから？
髭切「でも君、見たところそんな風でもないし…」
……失礼な。
何この人。
髭切「君の家は、何か特別な勉学があったのかい？」
「いえ…そう言う訳では。ただ、親が勉強に厳しかった所はあるかも知れませんが。」
髭切「そうなんだね。でも、驚いたよ。教師のあんな間抜け面も、久しぶりに見せてもらった。」
間抜け面、ねぇ…
そんな話をしていれば、いつの間にか玄関についていた。
髭切「あのさ。」
「…何ですか。」
髭切「明日、よかったら一緒にランチ、食べないかい？」
急にそんな誘いをしてきた。
「え…でも…」
私にとってはいい迷惑なんだけど。
ただでさえ関わりたくないのに。
そんな事口に出せない。
髭切「遠慮はいらないよ。紹介したい人が何人かいてね。どうせならランチを一緒にって思っただけだよ。…それに。」
私よりも背の高い彼が少しかがんで目線を合わせてくる。
髭切「君とは、仲良くさせてもらいたいな。」
「っ…分かりました。」
あぁもう…本当に嫌だ…
髭切「ふふ、ありがとう。じゃあ明日の昼休みの時間は、2階から階段をおりて左に進んでいくとある、白い扉の部屋に来てくれる？僕は都合があってね、後から行くから。」
「白い扉…分かりました。」
髭切「うん、よろしくね。…階段をおりて“左”だからね？…右に行っても同じ様な黒い扉があるんだけど、そっちには行かないでね。」
「…はい。」
髭切「ふふ、それじゃあまた明日ね。気をつけて帰るんだよ。」
そう言うと、髭切さんは踵を返してどこかへ歩いて行った。
今日話して分かったけど…掴みどころのない人だな。
意識してるのか無意識なのか…ね。
理解するのには、時間がかかりそうだな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shuna(プロフ) - きよひーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけてとても嬉しいです！頑張ります！ (2019年9月1日 14時) (
レス) id: 6cb408ae69 (このIDを非表示/違反報告)
きよひー(プロフ) - 面白いですね！更新待ってます、頑張ってくださいo(･ω･´o)(o｀･ω･)o (2019年9月1日 11時) (レス) id: 276c9143cf (このIDを非表示/違反報告)
shuna(プロフ) - 幸別愛友さん» 見てくださりとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年8月12日 11時) (レス) id: 6cb408ae69 (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - 更新が凄く楽しみですね！頑張って下さいp(^∀^)q (2019年8月12日 11時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
shuna(プロフ) - 礪さん» 読んでくださりありがとうございます！時間があれば頑張って更新しますね！ (2019年8月11日 22時) (レス) id: 6cb408ae69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shuna | 作成日時：2019年8月11日 18時
