及岩の話

いち ページ1

ｺｲﾂ
及川に告られたのは中学の時。



及川『いーわちゃん！俺と付き合う気は無い？』



初めはいつもの冗談かと思っていた。



けど、毎日毎日告白してくるのを見れば流石に俺でもわかる。



高校生になって。



それでも及川は毎日告白してきて。



及川『ねーねー、岩ちゃんは俺の事嫌いなの？』



岩泉『嫌いじゃねぇけど、そーゆーシュミはねぇつってんだよ。』



及川『えー、何それ。そんなこと言ってると、及川さん他の人のとこ行っちゃうよ？』



岩泉『勝手に行け。』



そう言うと、｢岩ちゃん辛辣ｯｯ！！｣という声が聞こえる。



毎度毎度、断る俺の気持ちも考えて欲しい。



季節は過ぎ去り、高3の夏。



俺の誕生日前日。



及川『ねーねー、岩ちゃーん。俺と付き合お？』



岩泉『俺は何回断ったらいいんだ……？』



及川『えー、またダメなのー？でもまだ諦めないもんね！！』



岩泉『いい加減諦めろ、クソ川。』



及川『岩ちゃん酷いｯｯ！！！』



……俺がクソ川って言うのなんて、いつもの事だろ。



花巻『……岩泉さ、変わったな。』



岩泉『……は？』



一緒に帰ってた花巻が唐突に口を開く。



変わった……？？



岩泉『何が、だよ…。』



松川『あー、確かに。岩泉、及川のこと殴らなくなったよな。』



及川『確かに！！俺最近岩ちゃんに殴られてない！！！』



……確かに最近及川の事を殴らなくなったかもしれない。



けどそれって、年齢重ねて大人になった…とかそーゆーんじゃねぇのか？？



花巻『意外と岩泉自覚してないだけで及川の事好きだったりして。』



そんなことを言いながら笑う花巻達。



……そんなはず、ねぇ…よな？



ｱｲﾂ
及川はただの幼馴染で、



ただの相棒で……。



及川『岩ちゃん？どうしたの？？』



岩泉『っ……？！な、なんでもねぇ……！！！』



及川『そう…？？じゃあ早く行こ？置いてっちゃうよー！！』





いつもみたいに笑って花巻達のとこに走っていく及川。



……チッ。



あー、くそ。



負けた気がする……。



及川『いーわーちゃーん！！！！！！』



岩泉『うるせぇ、クソ川……。』



んだよ、俺、いつから好きだったんだ……？？



もう、隣歩けねぇ……。

に→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す