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会議が終了して、ぞろぞろと皆帰る準備をしている
私も本来なら浅野くんと校門まで帰る所なんだけど……まだやり残した事があるのだ
追え!名探偵A!突如消えた筆箱の謎!
……との事なのでひとまず、教室に向かう事にする
ガラッと扉を開いて、中に入ると静まり返った空間に机と椅子だけが並べられていて
教室に一人になる事なんてあまり無いから、自分だけ取り残されたような不思議な感覚になった
『うーん、無いなぁ』
とりあえず、机の上と中とその周辺を軽く見回してみたけど何も無い
ふと赤羽くんの机の中が気になって見てみると……
わさびチューブやら、からしチューブやら " そないあればうれしいな " と書かれた謎の袋が入っていた
……何に使うのコレ。何か怖いよ赤羽くん
とりあえず見なかった事にして置こう
……うーん、教室での収穫は無しか
筆箱無いと何気に困るんだよなぁ
渋々教室を出ると、壁にもたれ掛かる浅野くんの姿があった
『えっ!?帰って無かったんですか!?』
「Aの方こそ何をしている」
『あー、教室に筆箱を探しに来たんですよ』
「それで、あったのか?」
『いいえ。余計な物だけ見ちゃいました』
*
もう遅いし、今日の所は引き上げようかな
私は浅野くんと肩を並べて廊下を歩く
ってきり、下駄箱に向かうつもりでいたんだけど……
彼は玄関を素通りして、職員室の方へ足を進めている
『え?ちょっと帰らないんですか?』
「教室に無いのなら、職員室に届けられているかも知れないだろ?」
『そんな!浅野くんが付き合う必要無いですよ!』
「一階に来たついでだ。それとも僕の好意が受け取れないとでも言う気かい?」
うぐぐ。言い回しがずるい
……冷徹な人だと思ってたけど、結構優しい所あるよね
『浅野くんって優しいですよね。今なら人望が厚いのも納得出来ちゃう』
「あぁ、手駒の事か?」
『んなっ!何て事言うんですか!腹黒生徒会長め!私もその内の一人何ですね!』
ぷくぅ、と頬を膨らませて速足で浅野くんを抜かした
すると後ろに腕を引っ張られて、バランスを崩した
『うわぁっ!』
「君は何か勘違いをしているらしい」
耳に彼の吐息が掛かる
「こんな事をするのはAだけだぞ」
彼はそう言って、突っ立っている私を放ってゆっくり離れていった
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潰れたいちご(プロフ) - この作品、「好きだから。」という曲がピッタリだと思います!よければ聞いてみてください! (2022年5月9日 19時) (レス) @page25 id: 2cda77c812 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - ご協力感謝致します!(*´-`*) (2019年6月20日 23時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 私も、授業中とか種転がってないかさがしてみます!!(笑) (2019年6月20日 23時) (レス) id: 2a3b3aad81 (このIDを非表示/違反報告)
オタク少女(プロフ) - ハバネロさん» じゃあまた2人をいじる材料を探しますね!(黒笑) (2019年6月20日 21時) (レス) id: 3dab4c0edd (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 御二方お便りありがとうございました!喜んで頂いて何よりです!またラジオをいつも盛り上げて下さるのは私では無く、このようにお便りを下さるからですよ(*´ ∨`)シチュエーションを考えるのが凄く楽しかったです!これに懲りずまた何かあればお申し付け下さい! (2019年6月20日 21時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年6月7日 12時