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会議室に一人取り残されて、私はヘタァと座り込んだ
一気に力が抜けて行く
うわぁ、告白されちゃった
浅野くん。それはズルいよぉ……
" ごめんなさい " と言わせてくれないと言う事は、つまり彼を断ることが出来ないって事で
かと言って、浅野くんと付き合うって言うのも今の私にとってお門違いな話だ
多分それらを全部見越した上で、彼はどっちにも飼われる事が出来ない私を困らせようとしているんだ
なんて意地悪な人なの……!
手段を選ば無い所は彼らしいけど、浅野くんのせいで悩み事がこれでまた増えてしまった
もー、頭がぐちゃぐちゃだよ
キーンコーンカーンコーン
そうこうしている内に昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴って、私は教室に戻ることにした
*
戻って来て席に着くと、既に赤羽くんが隣に居て
彼は机に伏せて眠っている
どうやら、私に話し掛ける気は無いようだ
今は少しそれが有難いので、私も声を掛けない事にした
授業の準備をしようと、机の中から教科書を引っ張り出すと何枚かメモ用紙が落ちてきた
……で、出たな!十さんの嫌がらせ!
今更、紙切れが出て来た所でこれは何だ?と疑問を持つ事は無い
こんな事をするのは身の回りに彼女しか居ないからだ
私は教室の床に落っこちたそれらを全部拾い上げて、一枚ずつ中を覗いてみる事にした
【シネ】
一枚目にはそう書かれていた
……すっごいシンプル
めちゃくちゃ直球で書くようになったね
二枚目も、三枚目も、四枚目もシワシワの紙を広げて読んだが【シネ】とだけ書かれていて全部同じ内容だった
一気に手紙を四枚も貰うなんて、こっちもモテモテだったのをすっかり忘れていた
でもこんな嫌がらせ、今は心底どうでもいい
心に留まる事すらない
さっきの告白の余韻がまだ心に染み付いていて、私の頭はその出来事でいっぱいだった
私これからどうしよう
浅野くんはああ言ったけど、いつも通り接する事が出来るかな
*
『はぁ"ぁぁぁっ』
「プッ。何その重たい溜息。私の親戚のおじさんが椅子に座る時によく聞くわ」
『それと一緒にすんな』
授業が終わって莉桜と雑談タイムに突入した
おじさんって言われたの、浅野くんのせいだぞ!
ったく、この学校に来てからめちゃくちゃ色々あり過ぎだよ!
『濃いよね』
「うん。恋だよね」
『え?』
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潰れたいちご(プロフ) - この作品、「好きだから。」という曲がピッタリだと思います!よければ聞いてみてください! (2022年5月9日 19時) (レス) @page25 id: 2cda77c812 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - ご協力感謝致します!(*´-`*) (2019年6月20日 23時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 私も、授業中とか種転がってないかさがしてみます!!(笑) (2019年6月20日 23時) (レス) id: 2a3b3aad81 (このIDを非表示/違反報告)
オタク少女(プロフ) - ハバネロさん» じゃあまた2人をいじる材料を探しますね!(黒笑) (2019年6月20日 21時) (レス) id: 3dab4c0edd (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 御二方お便りありがとうございました!喜んで頂いて何よりです!またラジオをいつも盛り上げて下さるのは私では無く、このようにお便りを下さるからですよ(*´ ∨`)シチュエーションを考えるのが凄く楽しかったです!これに懲りずまた何かあればお申し付け下さい! (2019年6月20日 21時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年6月7日 12時