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ある日の放課後
細やかな雪が舞い落ちる度にアスファルトの地面に解かされていくような、そんな儚い光景を私は一人で見詰めていた
莉桜に校門で待っててと告げられて5分くらいが経っていて……
何してるんだろう
ちょっと寒くなってきたなぁ
私は赤くなった指先を制服の中に引っ込ませる
＊
「ごめん、待った？」
『え』
息を切らして私の前に現れたのは、莉桜じゃなくて彼だった
『何でご主人様がここに？莉桜見ませんでしたか？』
「中村ならさっき帰ったよ」
『もー。あんにゃろすっぽかしやがったな。明日フルボッコだ覚えとけ』
そう文句を垂れていると……
「行くよ」
『うわっ』
彼は私の手を取って、歩き出した
ううっ。
タイミングがいつも急だし
手繋ぐなら繋ぐって最初に言ってくれないかな
いや、それもそれで恥ずかしいか
思ったことを口には出さず、私は彼にリードされるまま着いて行った
＊
冬の駅前広場にやってきた
等間隔で一列に並んでいる植木がイルミネーションの電飾で飾り付けられていて、辺りには恋人が集っている
『ちょっとどこ連れて行く気ですか！？』
普段は一切こんな遠回りして帰らないのに
何で今日はここに来たんだろう
疑問に思っているとぴた、と彼の足取りが止まった
「良かった間に合った」
そう安堵の表情を浮かべる赤羽くんにますます分からないことが増える、その直後……
「それではクリスマスツリーの点灯式カウントダウンを始めまーす！行きますよ〜！3・2・1」
若いお姉さんのマイクの声に広場にいる全員の声が揃って、あまりの盛り上がりに戸惑う
カウントダウンが " ０ " になった瞬間、一度広場全体の照明がぷちん、と落ちて
客の歓声と共に目に飛び込んで来たのは
目が痛む程華やかな大きなクリスマスツリーだった
『わぁ……！』
あまりの感動に上手く言葉に出来ないまま、高揚する気持ちに任せて笑顔で彼を見た
『赤羽くんっ！私ずっと田舎に居たから生まれて一度もこう言うの見たことがなかったんだぁ！連れて来てくれてありがとう！』
(……あ、やべ)
赤羽くん呼び ＋ タメ口
勢いでルール違反を2つ犯してしまい、手で口を塞ぎながら、恐る恐る彼の顔を覗くと少し赤くなっていた
「別に……。むしろ礼言いたいのはこっちだし」
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ハバネロ(プロフ) - 黒髪さん» コメントありがとうございます！(＊´ ∨｀)大好きって言って貰えて嬉しいです！恋愛要素今のところ少なめですが、ご褒美編で展開をがらりと変えるつもりでいるのでこれからも楽しんで下さると幸いです！更新が捗るようなコメント本当にありがとうございます^^ (2019年4月30日 16時) (
レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
黒髪(プロフ) - このお話大好きです！更新頑張ってください！ (2019年4月30日 14時) (レス) id: 058440bffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハバネロ | 作成日時：2019年4月14日 23時
