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「……ん」
今朝から取り憑かれたように重たかった身体がいつの間にか、随分とスッキリした心地になっていて目が覚めた
彼女が作ったお粥を食べた後に薬を飲んで寝たら、かなり体調が回復したようだ
部屋に掛けてある時計を見ると19時を回りそうで、外は冬と言うこともあり真っ暗だった
もうそんな時間か、とベッドから身体を起こそうとすると俺の太ももに重みを感じ、そこには顔を伏せて寝ている彼女の姿があった
「あれ、まだ帰って無かったの」
『……』
スースーと規則的に寝息を立ててそこで寝られるもんだから、動けやしない
参ったな
テーブルに目を向けると、カットされたフルーツやらスポーツドリンクやら鍋やらが置いてあって、何やら色々やってくれていたみたいだ
それを見ると何故か悪い気はしなかった
「俺ほっとけって言ったのに。本当に人の言うこと聞かないよね」
絆創膏だらけの指からは彼女の不器用さが伺える
一つの手に6個も絆創膏使う奴、初めて見たよ
＊
『んぅ。早く元気になってね……スースースー』
「……馬鹿じゃん。夢の中まで看病する気？」
そう聞いても答えてくれないのは百も承知で、それくらい無防備で安心しきった彼女を見ていると、今なら何しても噛み付かれ無いかも、と栗山Aと言う人間に興味が湧き上がってくる
大人しい彼女を触ってみたい
寝息を立てている彼女の髪をゆっくり撫でて、時より垂れた髪を耳に掛けて、手触りの良い毛をブラッシングする
すると彼女は満足そうに微笑んだ
『……ん。気持ちいい』
「……」
(やば)
説明のつかない、強烈な衝動に駆られて俺は必死に冷静を装う
そうやって落ち着かせることで手一杯だったのに、そんな俺の状態を気にも留めず、彼女は追い討ちを掛けるように寝言を呟いた
『辞めちゃうの？』
途端に胸に熱いものが込み上げてくる
「もうどうなっても知らないからね」
彼女の顎を二本の指で挟み、顔を持ち上げて、唇にそれを重ねようと顔と顔の距離を近付ける……が
『……んあ？あ、おはようございますってこの状況何ですか』
それは未遂で終わった
目を薄らと開けた彼女と目が合い、すぐに顔を逸らす
「不細工な顔して寝てたから近くで見てやろうと思って」
『酷い！』
叫ぶ彼女に背を向けて、自分の行動を振り返る
……俺、今何しようとした？
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ハバネロ(プロフ) - 黒髪さん» コメントありがとうございます！(＊´ ∨｀)大好きって言って貰えて嬉しいです！恋愛要素今のところ少なめですが、ご褒美編で展開をがらりと変えるつもりでいるのでこれからも楽しんで下さると幸いです！更新が捗るようなコメント本当にありがとうございます^^ (2019年4月30日 16時) (
レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
黒髪(プロフ) - このお話大好きです！更新頑張ってください！ (2019年4月30日 14時) (レス) id: 058440bffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハバネロ | 作成日時：2019年4月14日 23時
