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床掃除が終わって、私はヒリヒリとする頬を摩りながら天井まで続く壁一面の棚を見上げた
『この棚を整理するのかぁ』
床掃除だけならまだしも、この莫大な資料の束を私一人でやらないといけないのかと考えると無理があるように思えて、手伝って欲しいなぁ、と赤羽くんを見ると彼は机に寝そべっていた
何処でも寝るなこの人
私は必死になってペナルティを終わらせようとしているのに、彼は気持ち良さそうに目を閉じていて、この差に段々と腹が立ってきた
元はと言えば赤羽くんが校舎裏でサボるからいけないのに
先生も私達二人に反省をして欲しいから、丁度二人でやり切れる量の罰を課した筈だ
それなのに何で私だけが掃除してるの?
この人に罪悪感と言うものは無いのか?
だったら私が芽生えさせてやる!
『はぁ。さすがに二人一役でペナルティするのは辛いな〜』
「……」
『この量を一人でやれって言った奴どんな鬼畜野郎だよ。顔を拝んであげたいや』
「……」
『誰か優しい人手伝ってくれないかな〜「しつこいよ?バラされたいの?」
『お片付け大好き!』
彼に資料の整理を手伝わせるつもりが、まさかの返り討ちに合って、背筋がピンとなり、制服の袖を捲って高い所にあるプリントに手を伸ばす
けれど、私の身長では残念な事に届かなかった為、部屋の隅の方にあった脚立を引っ張ってきて、それに乗ってまた背伸びをする……が
ナニィ!?これでも届かないだと!?
ここまでやって触れもしないなんて、そんなの私の手足が短いみたいじゃん!ショック!
自分でこんな事を言っていたら、悲しくなってきたので辞めようと、一旦資料の整理を諦めるといきなり背後から、ちょっと!と声が掛かった
『え?どうかしました?』
「あんた前見なって!」
赤羽くんに指示された通り目の前を見ると、今にも参考書の雪崩が起きそうになっていて、このままだと数十冊ものの本が降ってくる事が容易に想像出来た
うわ!やばい!
抵抗する時間なんて残されていなくて、きゅ、と目を瞑り脚立の上に乗ったまましゃがみ込むと
ドサドサドサッと大きな音を立てて、私を目掛けて本が大量に落ちてきたのだが、おかしな事にどこにも痛みを感じずあれ、と不審に思う
『ん……?』
何で、何処も痛くないの?
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ハバネロ(プロフ) - 黒髪さん» コメントありがとうございます!(*´ ∨`)大好きって言って貰えて嬉しいです!恋愛要素今のところ少なめですが、ご褒美編で展開をがらりと変えるつもりでいるのでこれからも楽しんで下さると幸いです!更新が捗るようなコメント本当にありがとうございます^^ (2019年4月30日 16時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
黒髪(プロフ) - このお話大好きです!更新頑張ってください! (2019年4月30日 14時) (レス) id: 058440bffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年4月14日 23時