佰参 ページ8
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『私、自分からあれやこれやを言うのは好きじゃ無いのだけれど』
彼女はそう不平を言いながら教卓の前に立ち、転級初期の時とは違う髪型で比較的穏やかに自己紹介を始め出した。
『私は華ノ衣Aよ。元A組。ここにはカンニングをして落とされたの』
華ノ衣の為に掻き集められた生徒達は疎らに教室の中に散らばっており、穴が空く程、各々の席から彼女を見詰める。
所々の椅子には空白があって、この場に居たのはクラス全員では無かった。
「はい、質問〜。何でカンニングしたの？」
そう言って手を挙げた中村莉桜に、話を遮られた彼女は面倒臭そうに溜息を吐く。
『これがあるから私自分語りが嫌なのよ。外野は黙って人の話を聞けばどうなの？』
「俺らの言う事を聞かなきゃいけないのはそっちでしょ。あんた召使いなんだから、主に反論する権利無いよね？」
チッ、と態と聞こえるような大きさで舌打ちをした彼女は鬱陶しい、と言わんばかりの顔付きになって幾分不服そうな声で赤羽業に従い出す。
『カンニングをしたのは家出をしたかったからよ』
「そう言えば華ノ衣さんって、ビッチ先生とよく帰ってるよね」
『そうね。住まわせて頂いてるもの』
「何で家出しようと思ったの？」
『家庭環境が悪いから。良くある事でしょう』
「お父さんが関係してるの？」
『えぇ、そうよ！それが何だって言うの？貴方達、凡人のくせに私に同情出来るとお思いなの？』
次から次に降り止まない雨のように続く質問に彼女は段々と苛立っていて、それにいち早く気が付いた潮田渚は華ノ衣を宥めようと優しさを投げ掛けたつもりだったが、その佳人にとって自身の秘密を知っている彼の発言は地雷でしか無かった。
一緒に登校をした日、職員室で私の父親が暴力団の頭だ、と知ったのにも関わらず、敢えてそれを口にしないのが彼女には嫌味にしか聞こえない。
「華ノ衣霧壮さんって凄く有名な書道家だよね。世界を股に掛ける人の元に産まれたんだから、重圧が掛かっても仕方無いよ」
『何なの！？貴方に分かった口を聞かれても、気分が悪いわ！』
ご、ごめん、と萎縮をする彼の様子を傍観していた茅野カエデは初夏の日に華ノ衣の反感を買った事を密かに思い返していた。
あの時も確か書道家の名前が出ていた。
「じ、じゃあ、お母さんはどんな人なの？」
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ハバネロ(プロフ) - うさぎさん» 私も好きです！！(*´-`*) 練りに練ってめちゃくちゃ頭使っている小説なので、褒めて貰えてお涙チョチョギレです！どうぞ最後まで楽しんで行って下さいませ。 (2020年4月3日 0時) (
レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです！！！！！最近のお話はますますおもしろくなってきて、更新が凄く楽しみです。これからも応援しています！ (2020年4月2日 23時) (レス) id: d0074b3142 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 偽善少女さん» コメントありがとうございます！^^ いよいよこのお話も佳境に入って来ました！最後まで見届けて頂けるととても嬉しいです！ (2020年3月25日 0時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
偽善少女(プロフ) - すごく面白いです！！次のお話が楽しみです！頑張ってください！ (2020年3月24日 3時) (レス) id: 04840ecaec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハバネロ | 作成日時：2020年2月4日 19時
