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思いがけない事を言われてぶわ、と顔が熱くなる
『んなっ!急に何言ってるんですか!!よくそんな恥ずかしいこと言えますね!』
「いや、こっちの台詞だからね」
『と、とりあえず離れましょうか!』
「賛成」
私達は各々がしていた作業に戻ることにした
私は出る準備を再開し、彼は飲み物を飲んでいる
すると、ぐぅとお腹が鳴った
そう言えば二人共朝食を取っていないことに気が付いた
『あ、あの……』
私が彼にそう言いかけた時、急にスマホに着信が入った
プルルルル……
『も、もしもし?』
「あ、A?お母さん達家に着いたけどいつ戻ってくるの?」
『今準備しててもうちょっとしたら帰るよ』
「えー。早くしてね?お母さん達またすぐに行かなきゃいけないから」
そう言って……ブチ、と電話を切られた
自由人め
スマホの画面を見つめていると彼の声が聞こえてくる
「今の親?」
『はい。もう家に着いたみたいです』
「そ。じゃあもう帰りなよ?」
『で、でも……』
「帰りなよ?」
何だこの異様な圧力
けれど、泊めて貰ったお礼をせずに帰るのはさすがに人間として不味い気がするので……
『お、お腹空いてませんか?』
私は嫌がる彼に無理を言って朝食を作ることにした
*
『召し上がれ〜っ』
彼の元に味噌汁とちょっとしたおかずとご飯を運ぶ
……ちなみに全部C〇〇KPAD先生に載っていたやつです
『んまぁ〜!やっぱり教科書があると助かるわ〜』
「ねぇ、これ食べたら本当に帰りなよ?」
『帰ります帰ります』
*
「ねぇ、帰りなって言ったよね?」
キッチンの流し台に立っていると、後ろから彼に話し掛けられた
私は食器を洗う手を動かす
『帰ります帰ります』
「いや、帰って無いじゃん」
『えー。洗い物くらいさせて下さいよ』
「じゃあ、それやったら本当に帰る?」
こくこくと頷いて、次に掃除機を手に取る
「頼むから、帰ってくれないかな?」
『帰ります帰ります』
「その手は何?」
『掃除やったら帰ります』
「家事全部やる気でしょ?俺がやっとくからもう良いよ」
『だ、だってぇ』
「しつこいよ。怒らせる気なの?」
『そ、掃除だけでも……「A、ハウス!」
ぴしゃん、とそう言われ私は荷物を持って走った
『ヒィィ!お邪魔しましたぁぁ!』
お泊まり会はこうして幕を閉じた
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ハバネロ(プロフ) - 咲来(名前)さん» コメントありがとうございます!(*´ ∨`)とにかく明るくて、馬鹿っぽい女の子を書きたかったのでそのように言って貰えて良かったです!現在パート3まで出ているので是非そちらも読んでみて下さいね^^ (2019年6月18日 22時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
咲来(名前)(プロフ) - 主人公がとってもおもしろいくて、私大好きです、もちろんカルマ君も大好きです、これからも応援してます! (2019年6月18日 13時) (レス) id: aedff0aee4 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - あんな、ケンカを売るような言い方でしたのに、許して頂いてありがとうございます。 これからも、この小説を楽しみにさせていただきます (2019年5月27日 8時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 鶴さん» いえいえ大丈夫です(*´-`*)この件に関して鶴さんが責任を追う必要はございませんのでご安心下さい。今後このような事態を起こさない為にもしっかり対応の方をさせて頂きますので、いつも通り作品を楽しんで下されは幸いです(*´ ∨`) (2019年5月26日 18時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - 作者様私のコメントも不快でしたり、誤解を招く可能性がありました不快にさせてしまいましたら大変申し訳ありません (2019年5月26日 13時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年5月17日 1時