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『もう良いですっ!』
Aの張り上げた声に俺と綾瀬さんの口が止まる
彼女はグッと唇を噛んで教室を飛び出して行った
綾瀬さんと二人、教室に残される
「Aちゃん怖ぁい。凄い顔してたねぇ」
そう言って絡み付いてくるそいつの腕を払って、俺は彼女を追い掛けた
*
廊下を走っている彼女はすぐに発見出来た
俺はAの腕を掴む
「ねぇ、何怒ってんの」
『別に怒ってません』
「俺今日何かした?」
『だから、怒って無いです』
そう言って振り返ったAは目尻を険しく吊り上げていた
「やっぱ怒ってんじゃん。もしかして構ってやれなかったからそんな顔してんの?」
『は?違うからっ!何で私がそんな事で怒らないといけないんですか!』
「いや、今日綾瀬さんの相手してばっかだったから、それで拗ねてんのかな〜って思っただけ」
嫉妬だったら良いのに
そう軽い気持ちで聞いた事が、どうやら地雷を踏んだらしく彼女の顔付きが更に険しくなる
『その事ですけど、二人を見てて良い気はしませんでしたよ。ずっとベタベタして私の事はそっちのけだし。さっきだって私の話聞いてくれなかったですよね』
「ごめん。綾瀬さんに構うのに必死だった」
『そ、そうやって赤羽くんが伊久留ちゃんの相手するから悪いんですよ!嫌なら嫌だってはっきり拒めばいいのにテキトウに流すからいつまでもズルズル引きづってるんです』
「そうだね」
『は?それだけですか?そんなんだから、優しさに付け込まれるんですよ。" 思わせぶりな事ばっかりして、むしろ伊久留ちゃんが可哀想です " 』
【思わせぶり】
その言葉だけはAに言われたくなかった
「ねぇ、思わせぶりとかどの面下げてそんな事言ってんの?それやってるのAの方でしょ」
『はい?私に当て付けしてるんですか?』
「そうだよ。嫌味言ってんの」
『へー。よーく分かりました。つまり赤羽くんは私が鬱陶しいんですね』
そう言った彼女の顔は憎悪に満ちていた
『そんなに私が嫌なら、いっその事伊久留ちゃんにイヌやって貰ったらどうですか?彼女なら忠実に仕えてくれるでしょうね!弱味を握られた私と違って!』
「あー、そうかもね。顔で告白して来たあんたとは違って綾瀬さんは俺の中身も好きになってくれたもんね」
『そういう事ですっ!今日付けでイヌ辞めます!』
そう大股で、彼女は俺を横切って行った
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ハバネロ(プロフ) - 咲来(名前)さん» コメントありがとうございます!(*´ ∨`)とにかく明るくて、馬鹿っぽい女の子を書きたかったのでそのように言って貰えて良かったです!現在パート3まで出ているので是非そちらも読んでみて下さいね^^ (2019年6月18日 22時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
咲来(名前)(プロフ) - 主人公がとってもおもしろいくて、私大好きです、もちろんカルマ君も大好きです、これからも応援してます! (2019年6月18日 13時) (レス) id: aedff0aee4 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - あんな、ケンカを売るような言い方でしたのに、許して頂いてありがとうございます。 これからも、この小説を楽しみにさせていただきます (2019年5月27日 8時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 鶴さん» いえいえ大丈夫です(*´-`*)この件に関して鶴さんが責任を追う必要はございませんのでご安心下さい。今後このような事態を起こさない為にもしっかり対応の方をさせて頂きますので、いつも通り作品を楽しんで下されは幸いです(*´ ∨`) (2019年5月26日 18時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - 作者様私のコメントも不快でしたり、誤解を招く可能性がありました不快にさせてしまいましたら大変申し訳ありません (2019年5月26日 13時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年5月17日 1時