【赤羽業】ご主人様とイヌ 2

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『何ですかその顔』


「べっつに〜？」





赤羽くんは少し前からムスッとした顔でご飯を食べている


私何か機嫌を損ねることしたっけ？





まぁさっき、赤羽くん＜チャーハン


って言う優先順位にはしちゃったけど


……さすがにそれで怒ったりはしないよね？





だがこのままでは色々と困る


機嫌の悪い彼から繰り出される命令が恐ろし過ぎるのだ


何としてでも気分を戻して貰わなくては





『あの、仮にも一晩一緒に居ることになるから平穏に行きましょう！何事も無く平穏に！』


「ふーん。何事も無く平穏ね……」


『はい！だから機嫌戻して下さい！』


「ん〜じゃあさ、風邪引いた時にみたいに食べさせてよ」


『は！？！私の話聞いてた！？！』





なるべくスキンシップ無しの方向でお願いしたいのだが……





『それってもしかして命令ですか？』


「ご名答〜。A、ちょっとは頭良くなったじゃん」


『あれ、なんか嬉しくないな』





それに、そうすることで赤羽くんに何の得があるのかが全く分からない


けれど、命令と言われてしまっては抗えないので……


自分のチャーハンを一掬いして、彼の口に押し込んだ


パク、とそれを咥える彼を見ていると





何かこれ……





『付き合ってるみたい』


「ブッ！？！」





いきなり吹き出したかと思えば、意表を突かれたような顔をする彼


私、そんなに変なこと言ったかな





「待って。今の俺にそれ言う？」


『……？えっとごめんなさい？でもやってることまるでカップル……


「っは〜。こっちの気も知らないで。Aって天然タラシな所あるよね」


『何かよく分からないですけど、人見知りはした事ないです！』


「そんなの聞いてないから。もう良い。俺先に風呂入るわ」


『あ、行ってらっしゃい。じゃあ、私洗い物しておきますね。あとついでに床も片付けときます！』


「怪我して欲しくないからやらなくていいよ」


『もう触っちゃったてへぺろ』





ガラスの破片を触って指先に亀裂が入った





『いったい！』


「もー言わんこっちゃない。ほら、見して」


『はい……』





彼はそう言って私の手を取ると、パク、と指先を咥えた





『な！何して！！』


「消毒してんの。さっきの仕返し」




悪戯っ子みたいに意地悪に笑う彼にかぁ、と顔が赤くなる





『消毒くらい自分で出来ます！とっととお風呂入れ下さい！とにかく早急に散れ！』

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