検索窓
今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:57,733 hit

バレーボール ページ6

あれからというもの、小学校の登校でも会ったり
家に来て遊んだりと、徹と一で日々は埋め尽くされた。


そして、公園に来たときだった。


初めて、二人が持っているものが目についた。


「それ・・・」

指を指すと、徹は嬉しそうに言う。


「あっ!これ?バレーボールだよ。
俺たち、近くのバレークラブに通ってるんだよ」


「そーなんだ・・・」


「Aはバレーやったことあるのか?」


一が私に聞いてくる。

知らない、と本当は嘘をつきたかった。
逃げたかった。

でも、それはあまりにも不誠実なような気がして。


「ある・・・」

「そうなの!?じゃあ、一緒にやらない?」


徹が言う。が、私には無理だ。


「やらない・・・」


なんで?と聞く徹。

それをとめるーだが、一も不思議に思っているようだった。


「もう、やらないんだ。決めたんだよ。

私には兄がいるんだけど、兄はすごくバレーが上手い。
バレーだけじゃない。全てに対して、天才なんだ。

結局、みんなが選んだのは兄で、両親が離婚して、父さんも海外だから
こっちに来た。私は要らないんだ。

だから、こんな気持ちでやっても、ダメだろ?
それに、やる気が出なかった」


私は語った。

なぜか、言葉がスラスラと出てきた。


「だから・・・もうやらないんだ。
ただの意地って分かってるし、兄への八つ当たりだとも分かっている。
だけど、無理なんだよ」


「だから、私は認めない。
私だけは、ただ一人。兄が兄であることを。
私があの人の妹だということを、認めない」

くだらない話→←枯れた花



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (79 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
185人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ふじもん(プロフ) - 初めて見ましたがとても素敵な作品です!更新待ってます! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 9aa2f2467a (このIDを非表示/違反報告)
京夜(プロフ) - 二口(妹)さん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年8月9日 22時) (レス) id: 4b153081bb (このIDを非表示/違反報告)
二口(妹) - 面白いです(*^▽^*)更新がんばってくださいっ。 (2017年8月9日 14時) (レス) id: bdcb30f6f4 (このIDを非表示/違反報告)
京夜(プロフ) - 夢月さん» いえいえ (2017年1月17日 23時) (レス) id: 4b153081bb (このIDを非表示/違反報告)
夢月(プロフ) - おーなっとくです。ありがとうございます (2017年1月17日 23時) (レス) id: 4c66e0d8a4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:京夜 | 作成日時:2017年1月3日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。