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枯れた花 ページ5

「要らない・・・」

そう私が首を振っても、二人の男子は無理やり私にそのペットボトルを渡してくる。

「ダメだよ!」

「飲めって」

限りなく脅迫に近いそれに、しぶしぶ私は受け取った。

喉の渇きがあったのと、二人が煩いのとで
私は未開封だったそれに口を付けた。

流れてくるそれは、しょっぱいような甘いような
けれど、喉を潤してくれた。


「ありがとう・・・というか・・・誰?」

私が言うと、二人はちょっとしたケンカをはじめた。


「おい、及川!お前、知ってるっていったじゃねぇか!」

「えっ、近所の空井おばあちゃんの孫が引っ越してきて、一回顔見たんだよ!?」

「それは、お前が一方的に知ってるだけじゃねぇか!」


「あの・・・どうでもいいけど、誰なの・・・?」


おずおずと私が言うと、二人はケンカをやめ、こっちを向いた。


「俺は及川徹、空井おばあちゃんのとこの孫だよね!」

「そうだけど・・・」

「だったら、俺と岩ちゃんと近所同士だね」

えっ、そうなのか・・・ちょっとイヤだ。


「クソ川、勝手に話進めんな!
俺は岩泉一だ。及川が言った通り、近所だな。よろしくな」


あー、これは私も言った方がいいんだな・・・。


「えっと、及川さんが言ったみたいに、空井の孫です。
小学4年、空井Aと言います。よろしく」


「あー、俺らの一個下なんだな。
ていうか、敬語いらないし一でいい」

「じゃあ・・・一で」


「ちょ!ずるい!岩ちゃんだけど仲良くなるなんて!
俺のことも徹でいいからね!Aちゃん」

「Aちゃんって呼ばないで」

私が言うと、ごめん・・・と明らかにシュンとなる徹。


「はぁ・・・。ちゃん付けが嫌なだけだから、名前で呼んでいいよ」



その瞬間パァと顔が輝いて、そのかわりようには少し笑ってしまった。

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ふじもん(プロフ) - 初めて見ましたがとても素敵な作品です!更新待ってます! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 9aa2f2467a (このIDを非表示/違反報告)
京夜(プロフ) - 二口(妹)さん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年8月9日 22時) (レス) id: 4b153081bb (このIDを非表示/違反報告)
二口(妹) - 面白いです(*^▽^*)更新がんばってくださいっ。 (2017年8月9日 14時) (レス) id: bdcb30f6f4 (このIDを非表示/違反報告)
京夜(プロフ) - 夢月さん» いえいえ (2017年1月17日 23時) (レス) id: 4b153081bb (このIDを非表示/違反報告)
夢月(プロフ) - おーなっとくです。ありがとうございます (2017年1月17日 23時) (レス) id: 4c66e0d8a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:京夜 | 作成日時:2017年1月3日 18時

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