ゆるゆる、伊野尾先輩。

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窓を見るとチラチラと雪が舞っているのが見えた。


終礼が終わりガヤガヤしている教室だけど、
その雪を見ている時は周りの音が聞こえなくて純粋にとても綺麗だなって……


.




｢はい、参上｣



A ｢わ、慧くん｣



慧 ｢一緒に帰ろ？｣


少し崩れながら着ている制服を見て、
走って来てくれたのかななんて考え事。



本当のとこはどうなのか分からないのに自然と嬉しさを増した私の心。



涼介 ｢え、なに。

もしかして、そのもしかしてなの？｣


.

まだ彼には伝えてなかった


慧くんの事ばかり考えてしまって、

涼介のことなんか今日は頭に無かったのが本音。




慧 ｢そのもしかしてだよ〜｣



涼介 ｢えええええすげえじゃん！｣





恋人になった事を誰かに伝えるってこんなに恥ずかしい事なんだね……


初めての体験。初めての恋愛。


平和な恋愛が出来てていいなって……



.

慧 ｢じゃ、帰ろっか｣



A ｢涼介、ばいばい｣



涼介 ｢お幸せにね♡｣


今までとは違った関係で隣を歩ける嬉しさ



周りからちゃんとカップルに見えてるのかな

ただの先輩と後輩だったらちょっぴり悲しいな。





A ｢…………えへ｣



慧 ｢いい？｣



A ｢いいに決まってます｣


校門を出て、人通りがすくなった所で



左手に感じた温もり。


冷たい手を温めるようにお互いギュッと握った。

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