ゆるゆる、伊野尾先輩。

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:




慧 ｢あ〜あ溶けてんじゃん、雪｣


太陽が当たり、水を帯びて歩く度びちゃっと音が聞こえるようになった雪たち。




私達はカフェから出て、これからまたイルミネーションでも見に行こうか話していた


伊野尾さんはやっぱり優しい人で
カフェでの代金を全部払ってくれて、今も歩く時は自分が車道側を歩いてくれて……

.




慧 ｢どこのイルミネーション行こうか｣



A ｢あ、公園の辺りに綺麗なのがあるって聞きました｣



慧 ｢ナイス、そこ行こう｣


インスタで少し見たけど、そこは本当に綺麗だった。




色々なキャラクターやツリーも光のトンネルもあって行きたくて仕方なかった……




.

でも私なんかが
伊野尾さんと行ってもいいのだろうか？


彼女と別れた今、考えたくないけど



自分を慰める為に
私を利用していたりするのかもしれない…





素直に楽しんでもいいのかな。


慧 ｢どした？暗い顔してるぞー｣



A ｢え、いや、何でもないです！｣



慧 ｢…………行きたくない？｣



そんなことない…

けど、なんかモヤモヤして気持ち悪くって、


.





A ｢行きたい…んですけど、何か悪いかなって｣



慧 ｢なんで？｣



A ｢なんとなく｣



慧 ｢………彼女の事気にしてる？｣



.


図星だった……


少し俯いてた顔を瞬時に上げ大きく開く瞳。





慧 ｢ふふ、気にしなくていいよ


俺、Aちゃんの笑った顔今日ずっと見てたかったけど、失敗しちゃったかな｣




その言葉を聞いて再び高鳴り出した私の胸。

期待とか持っちゃいけないのにな、



馬鹿だなあ、わたし。

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