あなたをお慕いしております。

あなたに必要なものは ページ5

るぅとside
朝起きると、今日はいいことがあるという予感がした。別になくても、そう考えるとなんだか気分がいい。
そんなことを思いながら、紅を塗りに鏡のそばに行く。そこで、鏡取られてすねてる莉犬を見つける。しょうがないなあ〜!!ため息をつく莉犬に遊びのつもりで賭けを持ちかける。今日お客さんが来るか、で。莉犬は来ないにかける。僕は、来るにかける。今日はなんだか負ける気がしない。
並んでいると、ジェルさんの呼び込みが聞こえる。吉原の全てを知った？ななもりさんだけでしょうと思い、つい「くすっ」と笑ってしまう。
そうしたら、お客さんが2人入ってきた。珍しくかっこいい人だ。僕は、なんだかんだこの場所が好きで、楽しんでいるから
お客さんの1人がすごく好みで選ばれないかな〜なんて思ってたら、僕のことを選んでくれた!!
嬉しくてまた、笑みがこぼれてしまう。いつもは野暮の人ばかりだけど、それでも僕が必要とされているようで嬉しかった。野暮ではないあの人が僕を必要としてくれる。そう思うと、いつもの数倍嬉しくて、いつもよりおめかしをして部屋に行く。
部屋について、まず名前を教えあった。このかっこいい人はころんさんというらしい。こんなかっこいい人の相手をすると考えたら急に恥ずかしくなって熱くなる。
ふと、ころんさんは相手に困らなそうなのに、男の僕でいいのかな？と思い、聞いてみる。そうしたら「考えたこともない」と返される。
じゃあどうしてこの店にきたの？と思ってる僕にころんさんが
「なんでそんなこと聞くの？」と聞いてくる。やっぱり知らないんだ…ころんさんが必要としてるのは僕じゃなくて女の子なんだ。そう思うと、悲しくなった。
でも、何も知らないころんさんとするのはだめだよね…、そして、この店のことを話す。ころんさんは、驚いた顔をしていて、帰っちゃうのかなと不安になり泣きそうな声で帰っちゃうんですか？と聞く。
ころんさんは、意外にも「帰らないよ」と言ってくれる。嬉しくて、「よかった！！！」と友人に言うようにいってしまう。あ…と思うところんさんは真っ赤な顔している。大丈夫かな…聞くと大丈夫と返される。そういわれて安心する。すると、急にころんさんの様子が変わってスイッチが入ったような声で、
「やろうか、？」
と言われる。あ、え…う…恥ずかしい…そう思いながらも楽しみに思っている自分がいる。
「は、はい」
今日だけは、あなたの物。

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