白い夢 / ま ふ ま ふ 【男主】

白い夢 34 ページ41

まふまふside

さかたんが部屋から出ていく

廊下から大きな声が聞こえる

相手は浦田さんか

別にやましい事は無いけど

歌い手界の間で広まると色々嫌だ

やっぱり家に呼ぶのは間違ってたかな

『…あの…』

ま)…ん？ どうしたの？

声をかけられハッとする

『いや…ぼーっとしてたので…』

心配させてしまったらしい

ま)……ん"ーｯ…

両腕を上に伸ばす

リスナーにも伝えたら

隠さなくても…

さ)まふ！

ま)あ、電話終わったの？

部屋にさかたんが入ってきた

さ)う、うん、でな…

ま)…うん

目を見て話してくれない

ずっと泳いでる

さ)用事出来たから、帰らな Aもまたな！

『あ、は、はい！』

苦笑いで鞄を持ち上げる

ま)分かった、ごめんね、空気悪くて

さかたんを玄関まで送る

さ)…もっと詳しい事、今度教えてな

顔も見てくれないまま出て行ってしまった

「………」

何が正しいんだろうか

Aの事は好きだし、今の地位を落とす訳にもいけない

でもリスナーに知られたら幻滅されるだろうなぁ…

「にゃー」

スリっと足にいろはが擦り寄ってくる

いろはの脇の下に手を入れ抱き上げる

「…だよね、嘘つくのは、良くないよねぇ」

暗い廊下を歩いてリビングに戻る

ｶﾁｬｶﾁｬとお菓子を入れていたお皿やコップをせっせと片付けているA

「片付けてくれてたの？」

後ろから声を掛ける

『うわっ！？？ 』

背中がピンっと伸びる

『び、びっくりした…いきなり話しかけるの辞めてください…』

迷惑そうな顔をしていても可愛い

「うん、ごめんね」

後ろから抱き締める

キヨの言葉 さかたんの目

「………」

じわっと目が熱くなる

「ねぇ…」

『どうしました？』

「Aは俺の事、好きだよね」

『す…好き、です…』

「……」

Aから離れて

スっと両手でAの首を触る

『ｯ!?(ﾋﾞｸｯ)ま、真冬さん？？？』

ぎゅっと力を入れたら

どうなるんだろう

苦しいって 泣いて

『真冬さん！！』

手首を掴まれてまた意識が戻る

「ぅ…あ…れ…」

『電話鳴ってます！！』

着信音が鳴っている

「ほんとだ、ごめんね」

ソファーに置いていたスマホを見ると

【そらるさん】

「ごめん、ちょっと作業部屋行ってくるね」

『晩御飯は…』

「ラップに包んでくれてたら、食べるよ、先寝ててね」

早足で作業部屋に向かう


落ち着いて話そう

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