白い夢 / ま ふ ま ふ 【男主】

白い夢 14 ページ16

Aside

小一時間ほど ごろごろして

真冬さんが

「いろはとぽてとにご飯あげなきゃ」

と布団から出て

リビングに向かう

『………』

ひたすら撫でられて、ボサボサの頭を手ぐしで整えながら僕も後ろを歩く

にゃーにゃーとケージの中をくるくると回ってるぽてとちゃん

『ケージ開けていいですか？』

「開けてあげて〜」

ケージのドアを開けると勢いよく飛んでいくぽてとちゃん

ゆっくりと降りてきて 目の前で横たわるいろはちゃん

撫でろって顔で見てくる

『(可愛い)(ﾌﾜﾌﾜ)』

ゴロゴロと喉を鳴らしてる

「懐いてる」

横から餌が入った器を持ってきた真冬さんが入ってくる

いろはちゃんは餌の匂いに釣られて行ってしまった

『あぁー…』

「あ、そうだ、お洋服買いに行こうか」

『……え』

微笑みながら言ってくれたけど

『……じ、じゃあ、いろはちゃんとぽてとちゃん見ときますよ』

苦笑いで答える

「え、なんで？ 一緒に買いに行きたくない？…」

『違っ…あー…焼けたくなくて…』

ホントは、明るい内に外に出るのが怖くて

なのに

言葉を濁してしまう

「……」

もしも、外で両親に会ったりしたら、

元同級生に会ったら

「なら都心から少し離れたところに行こうか」

『え』

「僕はAくんとお出かけに行きたいな」

にへっと笑ってる真冬さん

『………』

僕とお出かけに行きたい

初めて言われた

「嫌、かな？ せっかくだし髪の毛も切ってもらって」

『い、行きます、行きたいです！』

じわじわと胸が暖かく感じる

「じゃあ顔洗って行こうか」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

生まれて初めて 車に乗ってます

『……』

歩くのと全然違う、

しかも外が明るいから周りの景色が綺麗

「っふふw」

笑い声が聞こえて真冬さんの方を見る

『どうしました？』

「いやw…初めて病院連れていく時のぽてとに似てるなぁってw」

クスクスと笑いながら運転してる

『猫じゃないですよ…』

恥ずかしくなり大人しくする事にした

それにしても、サングラス似合ってるなぁ…(太陽が眩しいので

こんなイケメンの助手席に座って…

まだ夢なのかもしれない

「先に髪の毛切りに行こうか」

『え、はい』

今は束にして括っているが、下ろすと肩下まで伸びてる髪 前髪も目の下まで伸びていると思う(ピンで留めてる)

顔の傷も手当が早かったおかげか綺麗に治った


「もうすぐ着くよ」

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