あの子…… (ページ21)

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21.始まりページ21

部屋に着いてからは特に何事もなく時間が流れた。
盗聴器と監視カメラかあった時は驚いたがな

時刻はもうすぐ5時。
もうそろそろパーティーが始まる

『ぺいんと様、らっだぁ様、きょー様。間もなくパーティーが始まりますのでご準備を。』

Kyo｢おーもうそんな時間か｣

Rd｢あのゾムとか言うやつに言ってやりたいことがあったんだ｣

Pi｢早くあいつに会いたいなー｣

準備をして廊下を歩く。
懐かしいなぁ。廊下を歩いている間もパタパタと従業員たちが慌ただしく働いている。
楽しかったなぁ……昔はね。

目尻が熱くなって涙が出そうになるけどこんなところよりずっと優しい所に拾っていただいたんだ。

もう忘れよう

忘れようとすればするほど思い出すトラウマの数々。

迫り来る拳と足。
冷たい目線。
ビリビリに破かれた書類。
何度疲れたか分からない溜息。

ぐるぐるぐるぐる

頭を駆け巡る記憶。
泥に沈んでいるようだ。

━━━━━━━ プチン ━━━━━━━━

Pi｢…ン！…ラン！フラン！！！｣

明るい？明るい。明るくて優しい光。
部屋……かな？

Pi｢よかったー！！過呼吸で倒れたんだよ？
大丈夫？｣

そっか。ここってそんなに俺にとって悪い場所だったんだ

『ご心配ありがとうございます。もう全然大丈夫ですよ！ご心配おかけしました』

Pi｢ほんとごめんね。刺激が強かったよね。わざわざこんなところに連れてしてごめん。｣

『謝る必要はありませんよ。俺の事より早くパーティーに戻りましょう。
らっだぁ様ときょー様は何処へ？』

Pi｢今は社交辞令中だよ。流石に全員会場に居ないって言うのはだめだからね。｣

『そうでしたか…お時間をとってしまい申し訳ございません。いそぎましょうか。』

Pi｢うん！無理しないでね｣

『もちろん！護衛としてきっちり働かせていただきます。』

早く会場に戻ろう。

そして俺は気づかなかった。
ネックレスが少し赤くなっていることに