完璧すぎる兄と比べないでください

１７話 ページ18

貴「はい、タオル」

尊「ああ……」

貴「陸、はい、スポドリ」

陸「わ、ありがとう！喉カラカラでさー！」

貴「門脇先輩！今日のタイムはいままでの中で自己ベストでしたよ！自信持ってください！」

門脇「うん……ありがと」

貴「小日向先輩も！ギミック最短で越えれてましたよ！」

小日向「ほんと！？やったー！」

貴「支倉先輩も調子よかったです。あと０.３秒で自己ベストでした」

支倉「そうかぁ……なんつーか、満を持して負けたって感じだなぁ」


そこであっ……と思った。
やばい、負けたのに私なんてこと……


貴「す、すすすすすみません！？！？」

支倉「えっ？急にどうした！？」

貴「私ったら負けたのに配慮の足りないことをべらべらと……！」

支倉「いやむしろありがたいよ。今の俺たちは全力を出しきっても西星には勝てない。なら俺たちのやるべきことは個人の総力アップだな」

貴「メニュー考えます！」

支倉「任せた！」

陸「A！今日のタイミングばっちりだった！！！！！やっぱりAはすごいな！！」

貴「えっ…………」

陸の言葉に、固まる。
初めて言われた。
初めて、私自身が褒められた。
初めて……私が…………

陸「え？えっ？A？ど、どうしたの？大丈夫？」

貴「……あ、う、うん！大丈夫！！ありがとう……陸の言葉が……その、嬉しくて」

陸「俺、なんか言ったか？」

貴「ううん、いいの、気にしないで！」

さ、帰ろう、そう思ったとき、西星の人たちが立ちふさがった。

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