完璧すぎる兄と比べないでください

１２話 ページ13

ー怜治sideー

はて、どうしてこんなことになってしまったのだろうか。

俺はAから尊敬されるためになんでもやってきた。
尊敬に値するくらいの結果は出してきたつもりだ。
自分の兄だ、と自慢しても恥はないくらいの生き方はしてきたはず、なのに。

怜治「なんでAは方南なんだろう……」

同じ学校なら授業以外はほとんど一緒に入れるのに。
なにか俺は妹に嫌われることをしていたのだろうか？

怜治「静馬……どう思う？」

静馬「乙女心はわかりかねますね……」

静馬もできる兄の分類。
遊馬の苦悩は知るよしもない。

怜治「誰に聞けばいいのかな…………俺、兄失格なのかな……」

静馬「そ、そんなことは……っ……高校生くらいの女の子はあまり家族の干渉を受けるのが好きではないから、とかじゃないですかね？」

怜治「そうなの……かな……、俺、Aを怒らせたなら謝らないと…………」

静馬「怒ってはないと思いますよ」

難しいなぁ……妹心は。

それとも、気づいてないだけで俺のどこかがすごく恥ずかしい……とかか？

怜治「ねぇ静馬……」

静馬「はい」

怜治「俺って兄として……恥ずかしいかなぁ……俺が兄だって思われたら……嫌なのかな」

静馬「えっ？そんなことは……」

怜治「じゃあもし俺が静馬の兄だったら恥ずかしくない？」

静馬「もちろん、恥ずかしくありません。むしろ誇りですよ」

怜治「そっ……か……ありがとう」

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