【文スト】名前を呼んで【織田作之助】

６DAYS ページ8

雨のなかを走る。

電話を受けて、すぐに飛び出した。


また、見送らなきゃいけない。

辛い、辛い、けど、

「織田作……！やだよ、死んだら……」

びしょ濡れになって館へ入る。

相撃って倒れた織田作に駆け寄る。

「だざ……い…………」

ちがう。
ちがう。

太宰って呼ばないで


「織田作…………いや、死なないで、死なないでよ」

なにもできなかった。

また、なにも。

「ぁ…………っ……」

「？」

な、に……？

ここで三回とも織田作は死んじゃった、のに


「ま……た…………お前を、泣かせて…………しまっ……ぁ」

「なに？なに、織田作？」

また？

いやいや、それより、こんな台詞、前まではなかった。

「つ、ぎ……こそ、は………………」

そこで声は聞こえなくなった。

それでも、口の動きでわかった。



“過去で待ってる、やり直そう”


「織田作……？」

もしかして、戻ってるのは私だけじゃない？


もしかして


_______すぐに私は立ち上がり、家に帰り眠った。

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