【文スト夢】その部下イケメン症候群につき要注意【中原中也】

祿話 ページ8

「広津さんが二人を飲みに誘ってこいと……」

そう言って現れたのは立原だった。

「こいつ未成年だけど」

そんな立原に中也さんは真顔で答える。

「え？でも中原さんも未成年のときから呑んでらっしゃいませんでした？」

「俺はいいんだよ。つーかこいつそもそものめねぇぞ」

前に連れてったことがあるが一口でダウンしていた。

「そうだったんですか……じゃあAさんは来るのやめます？」

「えっ行きたいです」

お留守番なんて嫌だよ私。

「来るのか？飲めねぇのに？」

「ふふ、どんなお酒も貴方の魅惑の酔いには勝てませんわ」

不敵に笑って顎クイをする。
その手を弾き落とされる。

「来たくねぇんだな、わかったわかった」

「待ってください待ってください！！行きたいです置いてかないでくださいぃ」

中也さんの細い腰にしがみつけば、ずるずると引きずられる。
絶対離してなるものか。


「あ、あー……俺、ジュース買っときますね？」

苦笑いを浮かべて立原が部屋を出ようとする。

「なんて心優しい天使(ｴﾝｼﾞｪﾙ)だ。このまま地上に留めてしまいたい」

刹那、後ろから鉄槌が飛ぶ。

「立原、今のうちに逃げろ」

「は、はいっ！！中原さん！！」

リンゴのように赤い顔をして、立原は去っていった。

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