【文スト夢】その部下イケメン症候群につき要注意【中原中也】

弐狃肆話 ページ28

日のほとんど当たらない路地裏。
さっきまで中也さんたちと居たのに、気づいたら迷子になっていた。

おかしいわね……ちゃんとついていってたはずなのに。

てくてく歩いていると

「うわっ」

「うおっ」

誰かにぶつかった。
すぐに手を差しのべる。

「申し訳ありません、お怪我はありませんでしょうか？……まあなんということかしら、羽を無くした天使がいるわ」

って、またやってしまった！！
というかこの人は確か……名前は知らないけど探偵社の人だわ！！

「女性に助け起こされるのは俺の理想に反する」

……理想？
よくわからないけど、理想に反するならダメね……？

「強がりさんなところも可愛いわ、遠慮なんかなさらず手にお止まりになって？愛くるしい蝶々さん」

「……よいしょっと」

普通にスルーして一人でたった。

「こんなところで年端も行かない娘がなにをしている？」

「私は……」

言いかけたとき、後ろから声がかかる。

「Aさん、中原さんが探してます」

「あら、芥川さん……私を探してくださったの？とても嬉しいわ、お礼にこn」

「A、はぐれんじゃねぇよ」

中也さんに強制回収される。
理想主義の彼が呆然とするなか、私たちは撤収した。

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