ドラコの限界オタクちゃん~3~【ハリーポッター】 (ページ22)

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嫌な記憶がフラッシュバックする。なんだかこのまま離れ離れになってしまいそうで視界が歪んだ。そんなことないってわかってるのに。

濡れた頬を拭きながらみんながいる森に向かった。

ハリーは無事に逃げれてるのかな。今どこにいるんだろう。私が手を離さなければこんなことにはならなかったのに。

ぐるぐると考えながら溢れ出てくる涙を拭く。

戻らなくちゃ。ハリーを探さなきゃ。

そう思って引き返そうとした瞬間、誰かに後ろから抱きしめられた。

ふわっと香る青リンゴの匂い。

『ドラコ…っ』

振り返ってドラコの顔をみると涙腺が緩んでまた涙が出そうになる。下唇を噛んで耐えた。

『ドラコ、怪我は？大丈夫？どこも痛くない？』

｢大丈夫だ、だから落ち着け｣

パニクってる私をドラコが落ち着かせてくれた。私のことを心配してるみたい。眉が八の字。

今はそんな場合じゃない。ハリーを探さないと。

『私戻らないと…』

｢やめとけ。今は危険だ｣

『でもハリーが…！』

｢頼む…行かないでくれ。お前が危険な目に遭うのを見たくない｣

こんな時までドラコを好きだと思ってしまう自分がとてつもなく嫌い。

『…心配してくれてありがとう。でも私は大丈夫だし、私もハリーが危険な目に遭うのを見たくないの…だからごめんね』

肩に置かれた手をそっと退かして私は走ってハリーと離れたところまで戻った。

『ハリー…！』

苦しい。咳が出る。きっと煙を吸ったからだと思う。袖口を口にあてながらハリーを探す。

すると奥のほうで倒れてる人がいた。あれは多分ハリーだ。駆け寄るとハリーは気絶していた。何度も名前を呼びかける。

『ハリー！起きてハリー！』

｢ん…るあ…？｣

『大丈夫？怪我はない？はやくみんなのところに行こ』

上半身だけ起きたハリーは前の見て固まっていた。なにを見てるのか気になり、私もハリーの視線の先をみた。

すると1人の男の人の影があって、こっちに向かってきていた。

やばいやばいやばい。これ絶対捕まったらだめなやつじゃん。逃げないと。

ハリーに腕を掴まれて後ろを警戒しながら逃げてると私達の名前を呼ぶロンとハーマイオニーの声が聞こえた。

｢…それ何？｣

安心してため息をついていると、ハリーが私の片手にあるフライパンを見付けて言った。

そういや私フライパンもってたわ。忘れてた。