君が君じゃなければいいのに KS (ページ9)

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6:チクッ… ページ9

ギョンスが"ちょっとお待ちください、"と部屋を出ていった

きっと着替えまでは手伝えないから代わりにメイドのチエンを呼んできてくれるんだろう

チエンは絵本から出てきたお姫様みたいに美人で、

おまけに料理もできて舞踊も綺麗で、何よりも凄く優しい。

私はチエンが大好きで、チエンもよく可愛がってくれる。

だけど…、

ギョンスと楽しげに話してるのを見ると、ちょっとだけ胸がチクッとする

ギョンスはチエンより年上だから、使用人しかいない時はタメで話しててとても親しそう

…実際、チエンは彼女が中学生の時…まだお爺様に引き取られてまもない頃に、ギョンスに一目惚れして告白したみたいだ

…ギョンスはなぜだか断ったみたい。チエンみたいな彼女は皆が喉から手が出るほど欲しいと思うんだけど…

昔、チエンに聞いたことがある

"ねぇチエン、"

VT"はいお嬢様、"

"チエンは…ギョンスが好きだったんだよね、?"

VT"昔の話ですよ^^"

"チエンはこんなに綺麗で優しいから…ギョンスもきっと、"

VT"お嬢様、私が告白いたしました時ギョンス様は"ずっと傍にいたい人がいるから"とおっしゃいました。…お嬢様のことだと思いますよ、^^"

"それは…私がこんな歩けもしない手のかかるお嬢様だから。…私のせいでギョンスは友達と遊んだり恋したりも自由にできないの。"

VT"それは違いますよ。お嬢様は本当に優しい良いお方ですから、ギョンス様はいつも褒めていらっしゃいますし。

私はお嬢様とギョンス様、お似合いと思いますよ^^?"

誰がどう見たってチエンの方がギョンスとお似合いだと思う。…ギョンスが断ったのはきっと私のせい。

ギョンスにどこまで迷惑をかけてしまうんだろう…

VT「ふふっ、ギョンスさんたら…(笑)」

KS「いや、だって…(笑)」

廊下から聞こえる楽しそうな声。…あの寡黙なギョンスが、あんなに明るく喋ってる。

…ちょっと、いやだいぶ…寂しい。