君が君じゃなければいいのに KS (ページ11)

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8:恋してる表情-VT- ページ11

VTside

VT「お嬢様は小さい頃から可愛かったんでしょうねぇ」

衣装部屋からドレスを持って、お嬢様の待ってらっしゃるメイク部屋に移動しながら、何気なく話を振ったら

KS「そりゃ…赤ちゃんの時から、お嬢様は特別可愛くて。…連れて歩くのが誇らしかったっけ。"ギョンスオッパ"、なんて呼んでいつも着いてきてくれてたの、もう覚えてらっしゃらないんだろうな…」

VT「きっと覚えてらっしゃいますよ…そう言えばルハンさんもおっしゃってました、

"お嬢様はギョンスに昔からべったりで、まだハイハイする時までギョンスに向かってばっかりだしさぁ"

…って、(笑)」

KS「…"まぁその次に沢山、俺の所に来てくださったけどね"
なんて言いそうだよねルハンさんは」

VT「え…、正解なんですが(笑)」

KS「やっぱり(笑)

…はぁ…そんな無邪気な可愛いお嬢様も…あんなにお美しく育っちゃって、」

VT「ふふっ、ギョンスさんたら…(笑)」

KS「いや、だって…(笑)」

ギョンスさんはお嬢様の前では決してそんな素振りを見せないけれど、

ここでは本当に恋してる表情になってるの

VT「お嬢様ー」

「あ、チエン^^」

顔を覗かせると、ニコニコと迎えてくださるお嬢様

KS「では私は一旦これで、」

ギョンスさんが出ていく背中をポーっと見つめられてる

お嬢様やギョンスさんは、決して自分の口からお互いを好きだなんておっしゃらないけど

さっきのギョンスさんなんて一目瞭然だし

今のお嬢様の寂しそうな表情は、ギョンスさんが好きだとおっしゃっているようなもの

VT「今もお嬢様のお話をされてたんですよ^^」

「え…でも…、やっぱりギョンスは…チエンといる時が一番楽しそう…、」

悲しそうに目を泳がせてそうおっしゃるお嬢様を見てると可愛くて仕方ない

VT「そうではなく、私に"お嬢様のお話をされる時"が一番楽しそうなのですよ…ほら、このドレスはギョンス様がお嬢様によくお似合いだと選んでくださったんですから^^」

「…ほんと、?」

お嬢様の頬に紅みがさして、…恋する乙女だ、(笑)

VT「早く選んでほしいと申し上げておりますのに、"お嬢様はどんなドレスも誰より綺麗に着こなされるから"となかなかお選びになれなかったんですよ(笑)?」

「…、ふふ、嬉しい^^///」

お嬢様のこんな表情を見せてくださるのも、ギョンスさんだけなんだな…