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〇また明日、あの車両で。🦅 ページ19







ラッシュより少し早い、ホームに人が少ないこの時間。
時刻表通り到着した電車にいつもの乗車口から乗る。

定位置である入口横にある席へかけ、外を眺める振りをして斜め向かいへ一瞬だけ視線を向ける。そこにはいつも同じ男子二人組が座っている。

一人はいつもスマホをいじっていて、もう一人はいつもその人に寄りかかるように寝ている。

元はラッシュから逃れる為に乗り始めたこの時間の電車。
しかし彼らの存在に気づいた日から目的が彼ら、特に寝ている彼を見る為になっている。



あれは多分私が降りる駅の一駅先にある進学校の制服で、荷物の量的に部活はしていなくて、もうすぐ桜が咲くこの時期に登校してるってことは私と同じ一年生か一つ上。

この時間に乗るようになってもうすぐで一年になるとはいえ毎朝十数分だけ、しかも電車の中でしか会わない私に得られる情報はそれくらい。



後は一度だけ聞いた彼の名前。
いつも寝ているから勝手に"スヤスヤくん"なんてあだ名で呼ぶようになった頃、爆睡していたのかいつも起きている彼に"ほくと"と呼ばれ文字通り叩き起されていた。
尚、起こしていた彼の名前は未だに知らないのでスマホくんと呼んでいる。

そんなほくとくんことスヤスヤくんとスマホくんは遠目から見てもかっこいいことが分かる。

スマホくんは恐らく元気系で、スヤスヤくんはクールなイメージ。スマホくんの声は一度しか聞いていないしスヤスヤくんに至っては寝顔しか見たことないからあくまで想像だけど。



──まもなく□□、□□。お降りの際は……



なんて、またチラチラと見ていたら駅に着いてしまった。
今日この車両に乗っているのは幸か不幸か私と彼らだけらしい。コツコツと自分の足音が嫌に響く。
まぁスマホくんはスマホに夢中でスヤスヤくんは相変わらず寝てるっぽいからこっちを見ることなんて無いんだけど。

降車すると別の車両から降りてきた人がちらほら。
人が少ないおかげかはたまた早い時間のおかげか、心做しか空気が澄んでいるように感じる。

うん、今日も綺麗な寝顔を拝めたおかげで一日頑張れそうな気がする。なんて思い「よし、」と小さく呟き、一歩踏み出したその時だった。



「──あの、落としましたよ」
『……はい?』



背後から聞こえた低い声。振り向けばそこに立っていたのは、



『す、スヤスヤくん……』
「……え、すや?」
『あ、』

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設定タグ:SixTONES , 夢小説   
作品ジャンル:タレント
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作者名: | 作成日時:2022年6月9日 1時

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