あの日の貴方と今日の貴方【孤爪研磨】

11.研磨side ページ11

・

『研磨、あんたずるい男だよ！』



約6年ぶりの再会を果たしたAがそんなことを言っている



「なにが？」



『なんかもう！色々とずるい！ずるすぎる！』



研磨は自分のかっこよさと可愛さに気付いてない！とかブツブツ文句を言ってるけど俺にはさっぱり分からない



「ほんとに何言ってんの。」



『あんなに首傾げてダメ？なんて言う男はずるいからね！？ダメなわけないでしょうが！！』



「興奮しすぎだよ」



『えへへ〜っ、てか私あと少しで家ついちゃう』



「そっか」



『うん…』




心做しかAは少し寂しそう




「寂しいの？」



『べっ、別に寂しくはないけど！』




「ごめんって、そんなムキにならないでよ笑」





やっぱり、Aを見てると面白い







『…家、ここなんだ』



「そっか、またねA」



『研磨』



「どうしたの？」



『…寂しくないなんて嘘、久しぶりに会えて嬉しかった…から、また今度一緒に帰ってくれる？』




Aは顔を真っ赤にして言ってきた



ほんとこういうところ…




「…うん、いいよ」



『やった！またね研磨！』



Aがパァァァっと笑顔になった




「うん、またね」






俺、ちゃんといつも通りの顔で居られてたかな




いきなり居なくなって
いきなり戻ってきたと思えばすごく綺麗になってて






「ずるいのはどっちなの…」

12.今日から→←10.私の天使

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す