肆 ページ7
引戸を開き、外へ出ようとすると杏寿郎は私を引き止めた。
貴『今度は何。』
いつも通り私はきっと機嫌が悪そうな声と顔をしているだろう。
杏｢今日は誰と任務に行くんだ？複数の鬼だから他にも隊士が着くだろう！｣
貴『甘露寺さん。』
杏｢そうか！気をつけて行ってこい！｣
何も言わず杏寿郎と似た青い炎の羽織を着て任務へとむかった。
鬼が人を襲う村に着く頃にはもう日が暮れていた。
村の入口に甘露寺とAは集合した。
甘｢Aちゃん！よろしくね！｣
貴『…よろしく。あの、私は兄とは違うんで。期待しないでください。』
甘｢あのね、最近美味しい餡蜜のお店見つけたから帰りに寄らない？｣
この人は相変わらずだ。
昔煉獄家でよく修行しに来ていた。
私なんかよりずっと強くて素敵な子だ。
私は無愛想に『はい。』とだけ返事をすると鬼が現れる村の山沿いの家々の周りを歩いて回った。
甘｢薄気味悪い…｣
貴『…甘露寺さん、鬼いましたよ。』
甘｢え！もう見つけたの！？｣
目を光らせながら山の上からこちらの様子を伺っているようだった。
私は甘露寺さんを取り残して山の中に入っていく。
貴『炎の呼吸 壱の型 不知火』
青い炎が鬼の頸を斬り裂くと共に断末魔が聞こえる。
するとその声で鬼が集まってきた。
貴『炎の呼吸 漆の型 盛炎のうねり』
広範囲に及ぶ攻撃で複数の鬼が頸を斬られ倒れた。
しかし鬼は残っていた。
そこで甘露寺の｢恋の呼吸 壱の型 初恋のわななき｣で頸を斬られてしまった。
甘｢Aちゃんの青い炎、素敵！｣
貴『珍しいだけで杏寿郎より強いわけじゃないから…。』
甘｢そんな事ない！AちゃんにもAちゃんの良さがきっとあるよ！｣
貴『ありがとう…でもいい。私はこうでいい。杏寿郎とは違って、弱くていい。』
私は彼の人生の踏み台にでしか過ぎない。そう、諦めていた。
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明朱(プロフ) - シャリファさん» 観賞用のみでしたら、可能です！転載などは不可です、ごめんなさい！ (2022年10月15日 1時) (
レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - 初コメ失礼します！作品とても感動いたしました！絵めっちゃ上手ですね！見るだけなので保存してもよろしいでしょうか？ (2022年10月14日 22時) (レス) @page42 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - まゆゆさん» ありがとうございます!笑笑楽しんでいただけてよかったです！ (2021年7月30日 0時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆ(プロフ) - 作者様に泣かされたぁぁぁぁぁ（泣）良い話過ぎる! (2021年6月19日 1時) (レス) id: b7969430ca (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - 猫築かなめさん» そんなに言って貰えると本当に嬉しいです。作品作り、頑張ってください！ (2020年8月21日 1時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明朱 | 作成日時：2019年10月2日 20時
