検索窓
今日:13 hit、昨日:13 hit、合計:427,746 hit

ページ5

那田蜘蛛山の鬼の気配が無くなった。恐らく柱の誰かが鬼を倒したのだろう。



私は後の処理は隠に任せ、自宅に帰った。



玄関先では杏寿郎が腕を組み、出構えていた。




杏「早かったな!無事で帰って来れてよかった!」





貴『うん。』





杏寿郎はAの後を付け回して部屋まで付いてきた。


着替えている間は後ろを向いて見ないようにしているが杏寿郎は喋り続ける。


着替え終わるとこちらに振り返り、私に詰め寄る。



杏「Aが好きなべっこう飴もあるぞ!」



手にいっぱいべっこう飴を持って見せびらかした。




貴『うん。』



杏「もみじ饅頭がいいか!」




どこかからかもみじ饅頭を出してきた。




貴『あー。もう。べっこう飴ありがとう。もみじ饅頭はいらない。いいから出てって。それにこれから那田蜘蛛山の仔細報告と柱合会議でしょ。早く行って。』




杏「あぁ!行ってくる!」



貴『はい行ってらっしゃいお気をつけて。』




早口でそう言うと部屋から無理やり追い出して襖を勢いよく閉める。




冷たくしているのに杏寿郎はお構い無しに飴いるか、とか飯を一緒に作ろう!だとか言ってくる。




貴『…ムカつく。』




自分と正反対な性格をしていて、しかも自分はその劣った方だと思うと嫉妬してしまう。



やがて日は落ち、すっかり辺りは暗闇に包まれた。



すると静かに襖が開き、弟の千寿郎が部屋に入ってきた。




千「姉上…」



貴『どうしたの、千寿郎。』



千「読めない漢字が…」



貴『いいよ。傍においで』




千寿郎はAが今日読んだ本で読めなかった漢字や意味などを聞いてくる。



母のいない煉獄家ではAが千寿郎の母代わりになっていた。



千寿郎は私と杏寿郎とは違い、母親の事をほとんど覚えていない。



ずっと可哀想なのは私なんかより千寿郎だ。



せめて、この子だけは私が最後まで面倒見てあげたい。

参→←壱



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (517 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
753人がお気に入り
設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 双子
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

明朱(プロフ) - シャリファさん» 観賞用のみでしたら、可能です!転載などは不可です、ごめんなさい! (2022年10月15日 1時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - 初コメ失礼します!作品とても感動いたしました!絵めっちゃ上手ですね!見るだけなので保存してもよろしいでしょうか? (2022年10月14日 22時) (レス) @page42 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - まゆゆさん» ありがとうございます!笑笑楽しんでいただけてよかったです! (2021年7月30日 0時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆ(プロフ) - 作者様に泣かされたぁぁぁぁぁ(泣)良い話過ぎる! (2021年6月19日 1時) (レス) id: b7969430ca (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - 猫築かなめさん» そんなに言って貰えると本当に嬉しいです。作品作り、頑張ってください! (2020年8月21日 1時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:明朱 | 作成日時:2019年10月2日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。