弐 ページ33
技を出して落下の衝撃を抑え、地に立つ。
それは城の中のようだった。
そこらじゅう鬼の気配だらけで胸騒ぎがする。
*
雑魚の鬼の首を斬っては進んでいく。
誰か居ないかと城の中を走り回っていると、カラスが騒ぎ出した。
「カァ!胡蝶シノブ死亡!!」
貴『っ…!(胡蝶さん…!!)』
走りながら涙が零れ落ちていく。
胡蝶さんはあんな私を受け入れてくれた数少ない人だった。
初めて会った時から美しい人だと思った。
それと同時に、私と少し似ている人だった。
自分を偽っていたこと。
最愛の人を理不尽に亡くしたこと。
どちらもボロボロな心だったからこそ、通じる何かがあったのかもしれない。
だれよりも私の気持ちに気づいてくれていた、唯一の理解者だった。
あの時、どうしても『一緒に生きましょう』って言えなかった。
胡蝶さんはどこかへ消えてしまいそうだったから。
思い出に浸っている暇ではないのはわかっている。
けれどきっと、以前の私とは違うからきっと涙が溢れたのだ。
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明朱(プロフ) - シャリファさん» 観賞用のみでしたら、可能です!転載などは不可です、ごめんなさい! (2022年10月15日 1時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - 初コメ失礼します!作品とても感動いたしました!絵めっちゃ上手ですね!見るだけなので保存してもよろしいでしょうか? (2022年10月14日 22時) (レス) @page42 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - まゆゆさん» ありがとうございます!笑笑楽しんでいただけてよかったです! (2021年7月30日 0時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆ(プロフ) - 作者様に泣かされたぁぁぁぁぁ(泣)良い話過ぎる! (2021年6月19日 1時) (レス) id: b7969430ca (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - 猫築かなめさん» そんなに言って貰えると本当に嬉しいです。作品作り、頑張ってください! (2020年8月21日 1時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:明朱 | 作成日時:2019年10月2日 20時