壱 ページ21
杏寿郎が任務に向かって数時間が経った。
なんだか落ち着いていられずにまだ夜明けの前に外を眺めていた。
久しぶりに夜明けでも見よう。
夜明けは好きだ。
鬼が居なくなって、誰も悲しむことの無い朝が来るから。
そんな事を思いながら過ごしていると、私のカスガイカラスが息を切らせて帰ってきた。
貴『こんな夜中にどこへ…』
「煉獄杏寿郎ガ上弦ノ参ト交戦中!!直チニ戦地へ!!」
その瞬間、頭痛と共に全身の血が逆流したかのような感覚に襲われた。
嫌な予感がする。
*
私はすぐに隊服に着替え、刀を持って夜道を駆け抜けていった。
山の中だろうがなんだろうが関係なく、私は闇雲に草木をかきわけ、戦地へ向かっていった。
奥の方から刀がぶつかり合う音がした。
夜明けが近くなるにつれ、森の出口に近づいていく。
貴『杏寿郎、死ぬな…!絶対に、死なせない!!』
もう失いたくない。
私はいつも失ってから大切な物が手の中から落ちていっていたことに気がつく。
母の病気が悪化する前に親孝行すればよかった。
父があの様になる前に何か解決策がきっとあった。
今度は、杏寿郎にまだ言えていない事を伝えられなかったら私は永遠に後悔するだろう。
そしてついに、森を抜ける。
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明朱(プロフ) - シャリファさん» 観賞用のみでしたら、可能です!転載などは不可です、ごめんなさい! (2022年10月15日 1時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - 初コメ失礼します!作品とても感動いたしました!絵めっちゃ上手ですね!見るだけなので保存してもよろしいでしょうか? (2022年10月14日 22時) (レス) @page42 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - まゆゆさん» ありがとうございます!笑笑楽しんでいただけてよかったです! (2021年7月30日 0時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆ(プロフ) - 作者様に泣かされたぁぁぁぁぁ(泣)良い話過ぎる! (2021年6月19日 1時) (レス) id: b7969430ca (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - 猫築かなめさん» そんなに言って貰えると本当に嬉しいです。作品作り、頑張ってください! (2020年8月21日 1時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:明朱 | 作成日時:2019年10月2日 20時