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泣いた顔を見られたくないから、顔を手で覆って畳に座り込む。





杏寿郎は下を向いて、Aに近寄った。




貴『なに』




泣きながら、睨みながら杏寿郎の方を見上げる。



すると、頭を掴まれ、畳に押し付けられた。それも、思いっきり。



あんなに優しい杏寿郎がこんなことするなんて思わなかった。





杏「生まれて来なければよかったなんて二度というな!!



今すぐ母上に謝罪しろ!!!」





怒った顔を見たのも初めてだった。



いつも笑顔だった杏寿郎が般若のような顔をして怒っていた。





杏「俺はAと共に生まれ、共に育った事を一度も不幸だなんて思ったことは無い!!



比べ物にするやつなど気にするな!!



俺とお前は違う。



陰口など聞かぬ振りをすればいい!!



聞こえない悪口は言われてないのと同じだ!!





だから二度と生まれて来なければよかったなんて言うな!!!」





私はそっと顔を上げると、杏寿郎はそっと抱きしめてくれた。




その時、昔の事を思い出した。









私は母の寝床の隣に正座していた。



貴『母上、私はなんでこんなに弱いのでしょうか…。



私は、杏寿郎のようにどうして出来ないんでしょうか…。



なぜ、私は生まれて来てしまったのでしょうか…』



母は黙って私を抱き寄せた。



瑠「A。私は貴方が生まれて来てくれただけでいいのです。



弱くてもいい。けれど、弱いなりに足掻いてみなさい。



だから、二度と生まれて来なければよかったとは思わないでほしい。」



瞳に涙が溢れ、こぼれ落ちた。









貴『ごめん…。


ごめんなさい



ごめんなさい!母上、兄上…!』






杏寿郎に抱きしめられながら子供の頃のように泣きじゃくった。



あの時、母が私を抱き締めてくれたように、杏寿郎は私を抱き締めた。

参→←壱



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明朱(プロフ) - シャリファさん» 観賞用のみでしたら、可能です!転載などは不可です、ごめんなさい! (2022年10月15日 1時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - 初コメ失礼します!作品とても感動いたしました!絵めっちゃ上手ですね!見るだけなので保存してもよろしいでしょうか? (2022年10月14日 22時) (レス) @page42 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - まゆゆさん» ありがとうございます!笑笑楽しんでいただけてよかったです! (2021年7月30日 0時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆ(プロフ) - 作者様に泣かされたぁぁぁぁぁ(泣)良い話過ぎる! (2021年6月19日 1時) (レス) id: b7969430ca (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - 猫築かなめさん» そんなに言って貰えると本当に嬉しいです。作品作り、頑張ってください! (2020年8月21日 1時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明朱 | 作成日時:2019年10月2日 20時

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