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私は刀を振るうよりも女の子らしい穏やかな時間が好きな子だった。



母が居なくなってから、私は逃げるように家から離れた野原へ言っていた。



そこでよくシロツメクサで花冠を作っていた。



杏「こんな所にいたのか」


貴『っ…!兄上…。どうしてここが分かったの…?』



すると杏寿郎は私にぐんっと一気に近づく。



怒られると思い、作りかけた花冠を胸に抱えて杏寿郎から視線を逸らす。



杏「それ、どうやって作るか教えてくれるか?」


貴『えっ…。』



兄は、私の事を一度も責めたりしなかった。



杏「Aが何処に居ても俺はわかる!俺はAのたった一人の兄だからな!!」


貴『私は杏寿郎が何処にいるかなんてわからないよ…?』


杏「勘だ!!!」



杏寿郎は私が教えた通りにシロツメクサを編んでいるが、あまり得意では無さそうだ。



杏「Aは随分と器用だ!」


貴『杏寿郎が不器用なだけだよ』




どこにでもいる仲慎ましい兄弟。



もしかしたら、鬼の居ない世界だったならば、きっと永遠に続いていたのかもしれない。



慎「どこへ行っていた。」



貴『私、嫌です…。



剣技を極めるなんて、私には出来ないです!!』



父は「そうか」と言って、一気に暗い顔になった。



パァン!!



家中に響くくらいの大きな音。



父は、私に平手打ちしたのだ。



しかし、それは杏寿郎の頬に当たっていた。



杏寿郎は、私を庇っていた。

弐→←〈運命〉



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明朱(プロフ) - シャリファさん» 観賞用のみでしたら、可能です!転載などは不可です、ごめんなさい! (2022年10月15日 1時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - 初コメ失礼します!作品とても感動いたしました!絵めっちゃ上手ですね!見るだけなので保存してもよろしいでしょうか? (2022年10月14日 22時) (レス) @page42 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - まゆゆさん» ありがとうございます!笑笑楽しんでいただけてよかったです! (2021年7月30日 0時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆ(プロフ) - 作者様に泣かされたぁぁぁぁぁ(泣)良い話過ぎる! (2021年6月19日 1時) (レス) id: b7969430ca (このIDを非表示/違反報告)
明朱(プロフ) - 猫築かなめさん» そんなに言って貰えると本当に嬉しいです。作品作り、頑張ってください! (2020年8月21日 1時) (レス) id: 7877c5d22d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明朱 | 作成日時:2019年10月2日 20時

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