音柱の恋愛事情【宇髄天元】

拾陸 ページ17

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「これ…可愛いですね」



まず初めに連れてきたのは、衣服屋。Aが可愛いって言ったのは、藍色の花柄の着物。



「衣服屋に来ただけで、派手に喜んでんなぁ！」


「あ、はい。私、衣服屋とか来たことないので、とても嬉しいです！」



来たことない…？どんだけ育ちがいいんだ、こいつ。鬼殺隊に入ってからは兎も角、入る前も来たことないのか？



「これ甘露寺さんに似合いそ〜…！あ、これはしのぶさんに似合いそう…」



他のやつのことしか話してないけど、目をキラキラと派手に輝かせて喜んでるみてえだからな。これでいいか。



「派手に次行くぞ！」


「はい！！」



次に連れてきたのは、髪飾りや耳飾りなどを扱ってる店。「なんだろコレ…」と興味津々商品を眺めるAは、物心ついた直後の子供のようだ。



「それは耳飾りだ。竈門炭治郎が耳に付けれるやつと同じだ」


「へぇ…。これ、綺麗ですね！」



そう言ってAが手に取ったのは、淡い桃色の花の形をした耳飾り。「カナヲちゃん似合いそう」とまた別のやつのことを考えてる。



「A、ちょっと来い」


「はい、なんですか…？」


「どうだ、これは」



俺がAに見せたのは、薄い水色の花が三枚重なった髪飾り。「気に入ったか？」と聞くと嬉しそうな顔でこう言った。



「これ…買います！宇髄さんに選んでもらった…」



力の抜けるような笑みを浮かべて、俺の選んだ髪飾りを会計しに向かった。



「はぁぁ…。派手に可愛すぎだろ…」

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