ふたりの男【YG×JN】 (ページ10)

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Yoongi side

そして季節が変わり秋を迎え、

俺たちは3人で初めて会った。

一応俺がセッティングしているし共通の友人として

話題を提供しなければいけないのだろうけど

慣れてない俺はやっぱりそんなこと出来ず

普段からおしゃべりな2人の会話を聞いていた。

その内容は、

どれも俺をからかうようなものだった。

だけど、悪意が感じられないそれは

むしろ信頼というか

うわべだけの関係ではないことの証しだった。

だけど、そんな関係になっていながらも、

目の前で2人が連絡先を交換しているのをみて

不快な気持ちになった。

顔には出さない努力をしたが、

2人が俺を除いて関わる術を得たことが嫌だった。

だから、

いつも以上に彼女に俺を男として意識して欲しくて

送っていくだなんて言い慣れてない台詞を吐いた。

そんな風に俺は彼女と2人だけの時には

抱かない感情に包まれ、その日を過ごした。

.

そして、それから1週間が経ち

俺は彼女と行くはずだった

好きなアーティストのライブをキャンセルした。

ユンギごめん、急だけど明日のライブ行けなくなった。代わりにジンに頼んだら行けるらしくて、明日は2人でよろしく。ごめんな。

突然のキャンセルに申し訳なさを感じたが、

ジンなら彼女も楽しめるかと少し凹んだ。

本当は行きたくてたまらなかったし、

何となくだけど俺らの共通の趣味を知られるのが

嫌だった。

とにかく嫌だったから、

キャンセルすることになった理由である

チョンホソクを恨んだ。

明後日のダンスコンテストに使用する

俺が作った曲のデータを削除してしまったらしく

PCにデータが残っていると思ったけど

渡したデータを返却してもらうつもりで削除していて

急遽作らなきゃいけなくなったからだ。

「最悪だ……」

俺はこの時完全に間違っていた。

何故チョンホソクを優先したのか、

明らかにホソクが悪いのに、

何でその都合に振り回されることを選んだのか。

この日から2人が急接近することを俺は知らず

ただひたすら作業室に篭っていた。