ふたりの男【YG×JN】 (ページ8)

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Yoongi side

誰とも付き合ったことがない、

ましてや好きになったこともない俺は

この想いがなんなのかよくわからなかったが、

消去法で恋だとたどり着いた。

そして、それを認識してからは

自分の言動を常に客観視してしまい

ぎこちないような佇まいになってしまった。

だけど、このチャンスを逃しては

もう二度と会うことができないと考えて

勇気を振り絞った。

「連絡先聞いてもいいですか」

直球だった。

「いいよ！カカオでいい？」

うん、と俺は答えたが

カカオ以外に今時は何か候補があるのかなと

謎に考えてしまった。

後日、カフェで聞こえてきた会話によると

今はインスタが主流らしい。

まあそれはいいとして、

無事に連絡先を交換した俺は

その後なんとメッセージを送るか悩んだものの

無難に改めた自己紹介と感謝の言葉を送った。

そして、流れで彼女の卒業論文の調査に手伝わされ

その後にご飯に行く、など

俺が意図したものではなかったが距離は縮んだ。

「ねえ、それとってよ！、、ちょっと早く！」

俺はアシスタントのように彼女に使われていた。

「……はい」

そして俺はそんな状況に疑問を抱きながらも

嫌ではなかったため受け入れていた。

「ユンギってさ、普段何してるの？」

「作曲してる」

「え！作曲って曲を作ると書くあの作曲？」

「うん」

本当に？今度聴かせて！、と

彼女は今まで以上に前屈みになり

興味がある様子だった。

だから、俺も嬉しくなって

プロデューサーになりたいという

今まで誰にも言ったことがない夢も語っていた。

大それた夢を語る俺に対して

彼女は否定的な言葉は一切口にせず、

ただ俺の夢を応援してくれた。

彼女といると自然な自分でいれる。

プライドや世間体、相手への配慮、

そういったものを考えずに接することができて

それでいて彼女もそれを受け入れてくれる環境が

俺は心地良くて好きだった。